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2010年2月16日火曜日

勝手に総括「なら瑠璃絵」

閑散期の冬の奈良に観光客を呼び込もう!と企画された「なら瑠璃絵」の
来場者が予想の10万人を超え、27万7000人(推計)に達したと発表されましたね。
そして、冬の新たな風物詩として、来年度以降も継続的に実施されるようです。

今年初めて行われたイベントでしたので、すぐに宿泊に結びつくことはなかったのですが
観光産業の端くれにいます私も、このニュースを知ってほっとしています。


今では全国的に知られるようになった夏の「燈花会」も10年前の始まった時は
まだこのイベントのために宿泊して下さる方も少なく、たまたま奈良に来て
こういうことをしているという偶然をお客様が喜んで下さるような感じでした。
(「燈花会」が始まった頃より以前の奈良の夏は、完全なオフシーズンだったんですよ。
今では想像できないでしょうけれど・・・。)

初めて「燈花会」を見た時の、奈良らしいイベントだなぁという印象。
これはいいイベントになっていくのでは・・・と思った通りの盛況なイベントになりましたが

私は冬の「なら瑠璃絵」にも、これはきっといいイベントになるよという印象を感じました。
でも本音を言えば、改良の余地有りという箇所もいっぱいあって。

労力もお金も出せずにいて、口を出すのは憚れることかもしれませんが
より良きイベントに進化していただきたいこともあって
一来場者の立場と観光産業従事者の立場を合わせた目線で
気がついたところなどを、ここで気ままに綴ってみたいと思います。

  
↑ こちらは春日大社参道の一部分の木々に吊るされた光のイルミネーション。
滴(しずく)をイメージしてあるのではと思いました。
↓ こちらは浮雲園地の木々に吊るされた光の球です。宿り木を思い浮かべました。
 
光の滴と光の宿り木。どちらもいいアイデアだなぁと思いましたが
圧倒的なボリューム感がないので、その良さがうまく表現出来ていない印象でした。
もし予算的にOKならもう少し数を増やすだけで、写真映えもすると思うのです。
(吊るしている面積は今のままでもよいと思います。広範囲にならない方がかえって綺麗です。)

またこのイベントの時期をバレンタインにかけているので、バレンタインをテーマに徹底的にこだわってほしいです。
例えば宿り木だったら・・・恋人同士が宿り木の下でキスをすると結婚の約束を交わしたことを意味する・・・という言伝えなどをうまくひっかけたり。

バレンタインに絡めてという点では、こちらのブログでも

お寺や神社は、縁結びご利益方面で、積極的に出番をもっていいただくとか…?
たとえば春日大社の縁結び・夫婦円満の夫婦大国社のお守り。

「なら瑠璃絵 縁結びお守り」(少子化対策にも貢献しそう!)
熟年カップル(夫婦)が、これからも末永く仲良く暮らしていけるように、
「なら瑠璃絵 スィート結婚記念お守り」(平穏な老後のために!)

・・・というような、いいアイデアを書いてらっしゃいましたよ。





若草山に描かれたイルミネーションは「七夕」からイメージした「天の川」でしたが
これも多分バレンタインにかけて、織り姫と彦星の一年に一度のデートを描いているのかなぁと思ったのですが
毎年同じデザインだったらきっと飽きちゃうだろうなぁ。
若草山の光のデザインは遠くからでも、どこからでも見えてとてもよかったので
ここに描かれる絵柄を募集して決めたりとか。

また最初は、レーザー光線なんてどうよ・・と思っていたのですがこれが案外面白いのです。
最終日にはレーザー光線が出ていなかったようでしたが、ひょっとして電力不足だったのかな?

光のデザインといえば、鹿の立体的なオブジェを小さな電球で作って森の中に配置しても奈良らしいよね。

春日大社の万燈籠はさすが伝統の重みと申しましょうか。
非常に評判がよかったようです。
宿泊の方にとっても、中元万燈籠や節分万燈籠の時期に来ないと見れなかったものが
この時期に見られたので、お客様も喜んでらっしゃいました。

でもそれに比べて興福寺のイルミネーションは少なすぎましたね。
奈良駅から、このイベントの玄関口になるところなんだし、もうちょっと何とかしてほしいです。
春日大社、東大寺の三社寺を結ぶ「光の回廊」と銘打っておきながら
どこがやねん!とツッコミを入れてしまいましたよ。

  ↓         ↓ 灯りはこれだけでしたものね・・。
  
                        ↑ 中金堂の仮枠に電飾するくらいの気概が欲しい!


東大寺も鏡池の周りのライトは綺麗でしたが、やっぱり圧倒的にボリューム感が足らないと思いました。
 ←この灯りは、青色の灯りと違ってお寺の雰囲気に合っていてよかったのですが

昨年3月に京都八坂神社祇園一帯で行われていた「花灯路」というイベントで見た
灯りのデザインなども取り入れてもいいのではと思いました。
京都で見た灯りの一例→ 
こういうのを浮雲園地や春日園地に「燈花会」のように置いても綺麗なのでは。

また国立博物館の竹のオブジェ自体はよかったのですが
あれに色とりどりの光が当たる、本館前のは、ちょっと痛々しい感じがしました。
多分予算の関係で、あんな光の使い方しかできなかったのだろうなぁと推察したのですが。
お昼間に見た竹のオブジェの良さを生かしきれていないよね。
竹の中に小さな電球を配置してオブジェが暗闇に形作られ浮かび上がるような
光のデザインだったらよりよかったのにと思いました。

博物館本館の美しいライトアップが台無しになっているよ・・。 

竹のオブジェの昼と夜の様子。 

そしてメイン会場のメイン電飾。
 
ゴールドとブルーの配色に、あちらこちらのブログから「??」な感想もきかれましたが
今まで奈良になかった、この強烈な個性。ようやった!と誉めてあげたい。
多分勇気が入ったと思うのです。あのレーザー光線も。
でもここにこれがあることによって、このイベントの面白さが充分に伝わると思うのです。

何しろ初めての試みで、人それぞれの好みもあって
色んな意見があって当然だと思います。
私もイルミネーションのデザインについて、感じたことを勝手気ままに書きましたが
これも、こんな風に感じている人もいるんだと思っていただければと。

2万個の灯りからスタートした夏の「燈花会」。
最初は浮雲園地、浮見堂、浅茅ヶ原、猿沢池だけだっとように思います。
それが年を重ねていくうちに開催エリアも広範囲になり、灯りの数も10万個になり
寺社や県庁や奈良町のお店の路地も参加するようになり・・・と
今や「燈花会」は、奈良中で地元の人も、訪れた観光客の方も
灯りを灯すボランティアの方々も楽しめる、奈良の夏の風物詩として定着したイベントに成長しています。

きっと「なら瑠璃絵」もそのような素敵な、奈良の冬の風物詩になると思うのです☆

2010年1月29日金曜日

今年は田原本町を歩いてみたい*



一昨日のこと。
たまたま所用で初めて「田原本町」へ行ったのでした。
奈良県中南部方面へ出かける道中に田原本はあるのですが
車から降りて足を踏み入れたのは初めてです。
所用先への道中に見えた、唐古・鍵遺跡の復元楼閣の東の後方に三輪山を遠望して
はるか古代へ想像力を膨らませて、帰宅してから
『2月のお出かけ情報〜その②伝統行事』を書いていてあらっと気がつきました。
2月は田原本町にある神社が多く出てくるのです。
  ↓ ↓
◇2/11 村屋神社(田原本町)「御田祭」◇
◇2/21 鏡作神社「おんだ祭り」
◇2/21 池神社(田原本町)「御田祭」
◇2/28 八坂神社(田原本町)「華鎮祭(けいちんさい)」

サイトで検索して、それぞれの神社がとても古い伝統のあるところだと知り俄然興味が出てきました。
今年は「田原本町」のあちらこちらを歩いてみたいと思ってます。

::

田原本町観光協会のサイトはこちら
桃太郎生誕の地なんですね。

2010年1月16日土曜日

興福寺国宝館の阿修羅像*リニューアル後は露出展示です♪

(写真は朝日新聞のasahi.comより)

全国のアシュラーの皆さま♪ BIG NEWSですよー。

明後日からリニューアル工事に入って2/28まで休館の興福寺国宝館
3月1日より、リニューアルオープンするのですが
その展示内容が今朝の朝日新聞社会面に載っていました。

阿修羅像など八部衆と十大弟子像が、ガラスケース無しの露出展示で公開されます!!

国宝館中央の通路をはさんで南側に八部衆8体。
(上半身しかない五部浄像だけはガラスケースに安置。)
北側に十大弟子6体を安置して、下側からのライトやスポットライトを多用し
彫刻の特徴がわかりやすいように工夫するという!!!

他にも金剛力士像など収蔵品の多くも露出展示とし
公開点数も国宝・重文合わせて34点から64点に増やすということです!!!

きゃー!!!
感嘆符と音符記号だらけですが、この記事を読んで私はとっても嬉しい♪
いよいよ、というかようやくというか国宝館も素敵に大変身するのですね。
とっても楽しみなことです♪ 今年も友の会会員継続を決定にしようっと。

::

2008年7月に書いた過去記事ですが・・・
「仏像保存と展示についての私感〜その1」はこちら
「仏像保存と展示についての私感〜その2」はこちら
「仏像保存と展示についての私感〜その3」はこちら

その後、書き加えたいことも多々あるのですがそれはまた後日機会を作って。
とにかくこの国宝館リニューアルが奈良の観光の起爆剤になるのは間違いないと思うし
そういう意味でも嬉しい新聞記事でした。

2009年11月1日日曜日

奈良公園ぐるっと周遊バス

春と秋の絶好の行楽シーズンには多くの方々が訪れる奈良公園。
近頃は車で来られる方も大変多くて、公園周辺は駐車場待ちの車であふれんばかりです。
それも観光地の風物詩のひとつなのかもしれませんが
初めて奈良に来られて、渋滞の中やっと辿り着いたと思ったら、一日中駐車場の空き待ち。
奈良をゆっくり楽しむことができずにくたくたに疲れて帰途に着くなんて
やっぱり何とかしないといけませんものね。

で、そんな交通渋滞を少しでも緩和しようと、昨年の秋に続いて今年も
奈良公園交通社会実験2009」が行われました。

その「社会実験」の試みの一つに「奈良公園ぐるっと無料周遊バス」があります。
普段バスが運行しないルートを走ったり、10分間隔で運行されたり
乗り降りも自由だし、何より無料というのも嬉しいですよね。

奈良公園の意外な広さに歩き疲れた時はちょっと気軽にバスに乗ってみる☆
「周遊バス」・・・これは中々いいアイデアではないでしょうか。

観光産業のはしくれで仕事をしていますので、この「社会実験」は大変気になるところです。
早速、実験日初日の昨日に、周遊バスに乗りに行ってきました。

スタート地点は県庁です。
あ、電気バスが停まってる!
乗れるかな・・と思ったのですがこの時は充電中(?)でありました。
  

県庁を出て大仏殿前までは、一方通行になっていてもかなりの渋滞です。
青信号も4回ほどパスしないと進入できませんでした・・・。
でも大仏殿前を抜けると、次の二月堂前(実際は手向山八幡宮の南ですが)まではスイスイ。
春日の杜を抜けて走るのが気持ちいいです。
  

車窓からの眺めも絶景♪ 御蓋山、浮見堂、江戸三です。
  

こちらは「Cu-Cal奈良」の会場となる浮雲園地です。
このテントは、ひょっとしてもう設営準備が始まっているのかな?


と、こんな感じで
いつも歩いたり自転車でビューッとすり抜けて行く通りを
バスでことこと走り抜けるのも、また違った目線で楽しかったです。

ただ、意外と小型なバスなので
途中で定員オーバーなくらいになって乗車できない方もいらっしゃいました。
一日中10分間隔ではなく、混み合う時間帯は5分間隔にするとか
その時間帯はもう少し大きいバスにするとか。
色々試していってほしいと思いました。

智林堂書店さんの去年のブログ
を読むと、公園内の一方通行の方向は
どうも今年は去年と反対方向のようですね。
どちらの向きが渋滞緩和によりいいのかしら?
社会実験で得られたデータもまた公表していただく機会があればいいなと思います。

2009年10月28日水曜日

お知らせ*週末の奈良公園周辺交通規制について



今週末の土・日曜日(10/31・11/1)と11/3の祝日に
奈良公園周辺では通行規制や一方通行が実施されます☆

時間は9時頃から17時頃まで。
一方通行に伴って車両進入禁止になっている箇所も多いので
この日に奈良へ車でお越しのお客様はこちらのサイトで要チェック!

また、昨年同様、今年も奈良公園の中を無料周遊バスが走ります。
これがまた!ちょっと魅力的なコースで私も乗りに行ってみようかなと思ってます。
コースの詳細はこちらをご覧下さい。
昨年のこの周遊バスの乗車レポは智林堂書店さんのブログでご覧いただけます。

観光シーズンの奈良の交通渋滞の凄まじさは知る人ぞ知るなのですが
例えば、近鉄奈良駅から東大寺大仏殿前まで、普段なら車で5分のところが
大体40〜50分はかかるでしょう。それほど車が動かないのであります。
このような渋滞の緩和対策への取り組みとして
公園内を一方通行にすればどうだろう等、今年も3日間だけ「社会実験」を実施されるのです。

また「パーク&ライド」といって、奈良市郊外に大型無料駐車場の用意
奈良市内への無料送迎シャトルバスなども用意されています。
本当は公共交通機関を使って奈良にお越しいただくのが一番いいのですが
車でお越しの場合は、こういった郊外駐車場のご利用もお奨めです。

※市内の有料駐車場は朝一に満車になりますと夕方まで動きません。
これは何故かと申しますと、奈良の駐車場の多くは時間制ではなく一日一回1000円だから。
何時間駐車しても同じ料金ですから途中で出庫する車は少ないのです。
県外の方にはあまり知られていないようで、何時間も駐車待ちをされている車の列を見ると
いつもう〜んと思ってしまいます。

::

トップの画像は今朝の大仏池周辺の様子。
少しずつですが、奈良公園内は秋色に染まっています。

2009年8月7日金曜日

鹿のひとりごと

燈花会へお越しの皆さまへ**

まいど☆鹿です^^
奈良公園で生活しているボク達から今日はお願いがあります。

「奈良公園にはゴミ箱が無い」っていうこと
皆さんはご存知でしたか?

何故ゴミ箱がないのか?・・・というのは
ボク達、鹿がついついゴミ箱の中を漁ってしまっちゃうから^^
そしてゴミを食べて、ついでにビニール袋まで食べて死んでしまうことも多かったので
ゴミ箱を無くしたんだって。

でも、ゴミ箱が無いからって、今度はゴミのポイ捨てをする人もあって
食いしん坊のボク達、ついゴミを拾って食べてしまうんだなぁ^^;

一年間で約300頭もの鹿が死亡しているんだけれど
その大半が、交通事故と、ビニール袋を食べて胃内で消化されずに死亡してしまうというケース・・・。

食いしん坊のボク達も反省しなきゃいけないけれど
どうか、ゴミ箱が無いからといって、ゴミをポイ捨てしないで下さいね!
・・・鹿のひとりごとでした・・・。

::

はい。ビニール袋が鹿に危険だってことは
鹿愛護会のHPで知っていたのでしたが
昨日はそういう現場を目の当たりにしました。

 

東大寺南大門前の自転車置き場で。
ワタクシ、決死の覚悟で(何しろ小学校1年生の時に鹿に蹴られたことがあって実は鹿がちょっと恐い)
鹿たちからそれぞれ食べかけ中のビニール袋を奪いました。
こちらが必死の形相をしていたので、鹿もびっくりしてビニール袋を口から放したのでしたが。

この自転車置き場は、参道から脇に入ったところにあって
ポイ捨てしても後ろめたくないと思ったのか、結構たくさん捨てられてましたね。
マナーの悪い奴め!(と、結構アタマにきて怒ってしまった)

とにかく奈良公園にはゴミ箱無いから、ご自分が出したゴミはお持ち帰り下さいね!

奪取したゴミをどうしたものかと思案していたら
鹿せんべいを売ってるおばさん達が「ちゃんと持って帰って捨ててあげるよ」と。
ご親切、ありがとうございました!

その後はこちらへ。
詳細は、誘っていただいたしをんさんのブログをご覧下さい。(と、得意の丸投げを今日も^^)

とにもかくにも、ゴミを無邪気に漁る鹿のことで頭がいっぱいで・・・。
聞いてはいても実際に見てみたら、ちょっと何とかしなければと思ってしまいました。

2009年4月3日金曜日

散華・・・この美しきもの

今日は少し、「散華(さんげ)」についてのお話です**

以前の奈良倶楽部通信昨年8/8付けの日記
新聞記事から拾った話題を取り上げていますが
その中の一つに「散華を古都の特産品に」という話題があり
以下のような朝日新聞の記事を載せています。


寺が法要の際に撒くハスの花びら状の紙「散華」の
保存に向けたNPO法人を、奈良県の経済人らが発足させた。
芸術性が高く「手のひらサイズの美術品」とも呼ばれるが
配布後はそのまま散逸していた。
古都の新たな特産品として各寺に販売してもらい、
将来的には美術館の建設も計画している。
NPOは散華の印刷も請け負う岡村印刷工業が中心となって
「美術散華保存会」として発足。


で、この時、私も「奈良が誇る素晴らしい美術品」を
自分ができる範囲でもっと発信していきたいなあ。
「美術散華保存会」にも、ちょっと関わってみたいなあと
頭の隅っこで思っていたのです。・・・・・・・そして・・・ 。


奈良独自の文化である「美術散華」の収集、保存、制作支援を目的に
「美術散華保存会」がNPO法人として設立され
このたび会員募集をされていると知り早速入会しました。

入会とともにいただいた散華は「森田りえ子作*東大寺」のもの。


こちらは法華寺の散華☆
 川村悦子作
杉本健吉作 
どれもこれも、うっとりするくらい美しいです。

散華好きの私は、「美術散華保存会」のサイトの中の
色々な散華を眺めては、うっとり♪ とご満悦なのです。
散華を扱っている寺院を巡ってコレクションもしていきたいし。

サイト内の奈良で生まれた散華の歩みを解説したページを読んでみますと・・・


散華の歩みで特筆すべきは、
昭和35年の唐招提寺南大門修復落慶法要です。
丸みを帯びた宝珠型、愛らしく仕立てられた散華は
香水がふりかけられ、ヘリコプターで上空から撒かれました。
そして散華が舞う中を、輿に乗った国宝・鑑真像が厳かに登場する…。
この趣向は、名演出として大変話題を呼びました。


すごいでしょ!(あ~その場に居合わせたかったなあ! )

この趣向を考えた唐招提寺の森本長老の散華コレクションは
遠く足利時代にまで遡るものだそうで
ほとんどが肉筆のコレクションの散華を参考に
木版印刷刷りの散華の制作を依頼されたのも長老なのです。

こうして生まれた唐招提寺の木版多色刷りの散華。
それは南都奈良のお寺の特色にもなりました。
奈良の古寺では以降、それぞれ意匠を凝らした寺独自の散華が考案され
記念法要の際に撒かれるようになったのでした。

・・・・・この散華が生まれた歴史を読んで私は大感動。
大袈裟かもしれませんが、散華こそ
奈良の素晴らしい文化であり誇りではないでしょうか!!!

美術散華については、これからも時々
この奈良倶楽部通信で情報発信していこうと思っています。

早速ですが☆情報その①です^^

東京日本橋に新しくできました奈良県のアンテナショップ
『奈良まほろば館』にて行われるイベント「大和花の舞い」
の会期中(4/13~4/25)有名寺院の散華の展示がされます。
関東在住のお客様、どうぞご来場くださいませ~☆

小さなホテル奈良倶楽部

2008年10月27日月曜日

正倉院展の中で思いついたこと~memo~

昨日の日記で書きそびれたこと*少しmemoとして。



◇正倉院展会場内混雑緩和策のひとつとして◇

鑑賞券の価格を現状の1000円から1500円にアップして
あまねく音声ガイド(500円)を無料で付ける。

心の隅でちょっと思ってること「正倉院展の観覧券は安すぎる」
あれほどの宝物の数々、1250年以上も前の素晴らしい宝物を
鑑賞するのに、他と比べるのもなんだけど、同じ奈良博での
『西国三十三所展』1200円よりも安いし、東京の私立美術館
たとえば森美術館などは1500円。。。比べてみると
展示物の価値からしても安すぎると思うのです。

それで、なぜイヤホンを付けて販売するかといいますと・・・

会場内の展示物の陳列ケースのところで、混雑しているなあと
感じたところのほとんどが、音声ガイドのない展示品のところ。

鑑賞者の皆さんが熱心に展示品についての説明書きを停まって
読んでいるから人の塊ができて動かないのです。

音声ガイドのあるところでは、イヤホンを付けている人は
動きながら展示物を見ることができるので
人波がいい方向に流れていました。

もちろん聴覚障害の方への配慮もありますので
説明書きをはずすのではなく、全展示品に音声ガイドと
解説パネルを付けて、そのパネルの位置を
展示品と同じ横並びの位置に掛けずに後ろに掛ける工夫をする。

これはフェルメール展(東京都美術館)で素晴らしいと感じた
アイデアですが、展示品を観ている人と説明を読んでいる人を
分けることによって、展示品がとても鑑賞しやすくなっているのです。

(判り易い例として1000円を1500円にと具体的数字を提示しましたが
価格はあくまでも目安です。)

私がここで言いたいのは、ある程度価格をアップすることで
本当に鑑賞したい人のみが来られるのではないかということ。
(新聞社が無料券を配布したり観光バスで団体さんが押し寄せたり、
これも価格が安いからこういう現象が起こるのではとも思います。)

そして価格をアップするだけでなく、音声ガイドをすべての展示品と
すべての来場者に付けることによって鑑賞しやすくするなるのではと。
このようなことを会場内の人込みの中で正倉院の宝物に魅入りながら
思ってました。


博物館や正倉院関係者や主催者の方々の目に見えない苦労や大変さを
想像し敬意を表しながらも、観光産業の前線に立つ者として
昨今の混雑ぶりがいずれ何らかの形で跳ね返ってくるのではないかと
少々危惧するところもあり、こういう思いついたことをここで提案してみました。

+++いつか、東京国立博物館の「法隆寺宝物館」のようなものが
「正倉院宝物館」として奈良の地に誕生すればいいなあと
博物館大好きな私は思うのです。+++
ブログ内記事「法隆寺宝物館で夢想したこと」に詳しく書いてます)

正倉院展を観終わって、博物館の外に出たあとは
10月いっぱいまで行われている「ライトアップ」を見ながら家路に。

同行の友人のご主人は、ライトアップを見るのが初めて。
私の一番お気に入りスポットをまずご案内。



相変わらず貸切状態でしたが、
友人達はこの建物の美しさに感動してくれたのでちょっと鼻高々に。

このライトアップも10月は17:00~21:00にと時間を前倒しすれば
いいのに・・・とか、せめて正倉院展会期終了日まであと10日延長
したらいいのに・・・とか、そんなことも思いながら、

でも奈良ってやっぱりいいところやなあ!大好き♪

小さなホテル奈良倶楽部

2008年9月8日月曜日

法隆寺宝物館で夢想したこと☆



前の日記で紹介した東京国立博物館の中の「法隆寺宝物館」。

こちらで常時展示されているものは、
特別展などに出品される「目玉」になるような展示物ではないけれど

展示空間の全体の調和が美しくバランスが取れていて
申し分ないほど気持ちいい所でした。

だから展示物を観るためだけではなく
そこに身を置きたいためだけにでも訪れたいような所でした。

これは多分に私自身が、博物館や美術館に行くことがとても好き!
という性質を持っているから余計そう思うのかもしれませんが。

来館者はそう多くなく、でも閑散とした寂しい所かといえばそうではなく
ここに来る必要のある人が必然として居るというような静かな空間。

こういう場所にいると、自分を取り戻せるような感覚で落ち着くのです。

さきほど、ここには「目玉」な展示物はないと書きましたが、
本当はそうではなく、7世紀初めの飛鳥時代の宝物が、
今この時代に時間と時空を超えてここにある不思議。

脈々と受け継がれ守られていった圧倒的な時間を思うだけで
ここは「奇跡」を展示している所なのだと実は思うのです。

こういう感覚は「正倉院展」を観たときにも感じる感覚で・・・

正倉院宝物を観ると、1250年以上も前の品々が、
こんな美しい状態で保存され残っているという事実に敬意を、
そして1250年もの間、脈々と次世代へ守り繋いだという
意志や知性に誇りを感じるのです。

だから私は正倉院展に足を運ぶのですが、

この正倉院宝物をまとまって見ることができる機会は
非常に短期間で、非常に混雑しているのです。

奈良時代から守られてきた宝物のほとんどは
脆くて保存の難しいものが多いため、
常時公開するのは大変なことだと思います。

でもその時代よりも1世紀遡る法隆寺宝物が
智恵と工夫によって、こうして公開されていることを知り、

私は夢想してしまいました☆★☆

「正倉院館」を造りたいです。奈良に。できれば博物館の敷地内に。

静寂で知的な空間。奈良らしいところ。
何度でも訪れたくなるところ。


東京から帰って随分時間も経つのに、今だに
この夢想にうっとりと酔っています。

中々楽しいアイデアだと思いません?


小さなホテル奈良倶楽部

2008年8月8日金曜日

新聞記事から奈良の話題を3点ご紹介☆

連日の猛暑と、週末を控え、かなり忙しくなってきたのとで
しばらくウロウロとお出かけもできなくなりましたので
今日はこの最近に載っていた新聞記事から奈良の話題をご紹介です。


その1>>奈良少年刑務所で
山下洋輔さんがピアノコンサート☆




今年創立100周年を迎えた奈良少年刑務所(般若寺の近くです)で
9月13日、ジャズピアニストの山下洋輔さんのコンサートが開かれます。

コンサートは受刑者ではなく一般の市民が対象で、入場無料。

9/13,9/14の2日間に行われる「矯正展」のプログラムの一環として
100周年記念事業として行われます。

奈良少年刑務所は山下洋輔さんの祖父、故・啓次郎さんが設計したもので、
1908年(明治41年)完成。今年が創立100周年にあたります。
受刑者を収容している矯正施設としては国内最古で、
ほぼ完成当時の形で残っている赤煉瓦造りの貴重な建物です。

11:00開演で、席は200席。
入場無料なので、先着順か、整理券発行か、入場制限するのか未だ未定。

問合せは同刑務所まで。(tel:0742-22-4961)

昨年の「少年刑務所矯正展」を訪れた時のようすはこちらを。

その2>>大仏さまの「お身ぬぐい」




8/8の朝日新聞朝刊奈良版より。
記者の方が「お身ぬぐい」の作業に参加した模様が載っているのですが、

大仏さまの手の平に乗って見えたこととして、

鼻の穴の中にさらに三つの穴があること。
腰のあたりに小さなドアがあって、そこから大仏の中に入れること。
大仏の内側には精巧な木組みがあって非常にうまく大仏を支えていること。
大仏本体の裏側には創建当時の鋳型の土の一部が残っていること。
膝元の所々に蓮弁部分にあるはずの毛彫りで刻まれた仏様の絵があること。
それは、戦国時代の戦火の修理をした時に蓮弁部分から継ぎ足したこと。


などなど、間近で見たからこそわかったことが書かれていました。

昨年の「お身ぬぐい」の日記はこちらに。

その3>>散華を古都の特産品に☆


  
   ↑
これは昨年、飛鳥園で買った杉本健吉画伯が描かれた散華のカレンダーより。

8/8朝日新聞夕刊より


寺が法要の際に撒くハスの花びら状の紙「散華(さんげ)」の
保存に向けたNPO法人を、奈良県の経済人らが発足させた。
芸術性が高く「手のひらサイズの美術品」とも呼ばれるが
配布後はそのまま散逸していた。
古都の新たな特産品として各寺に販売してもらい、
将来的には美術館の建設も計画している。


NPOは散華の印刷も請け負う岡村印刷工業が中心となって
「美術散華保存会」として発足。

『散華は奈良が誇る素晴らしい美術品なのに注目されてこなかった。
奈良の文化を広げるきっかけにしたい』と岡村印刷社長




本当に!大賛成!!
と、散華大好きの私は思いました♪


   ↑
これはヨーク・シュマイサーさんの描かれた散華。
大仏殿中門出口付近の売店で3枚1000円で販売されてます。

印刷されたものだけど、凝ったデザインが美しく
本当に「手のひらサイズの美術品」ですよね。

奈良が誇る素晴らしい美術品、奈良の文化がもっと発信できますように!

小さなホテル奈良倶楽部

2008年7月11日金曜日

仏像保存と展示についての私感~その3

果たして仏像保存とダイナミックな展示は両立するのでしょうか?

私の中で一つ気になる場所があります。

宇治の平等院にあるミュージアム『鳳翔館』。
その名の通り、美術館です。

 鳳凰堂(後から)
鳳翔館外観 
(撮影2007年9月)

以前からの宝物館(1965年竣工)が老朽化のため
新しく建てられたもので2001年開館です。

コンクリートのモダンな建物ですが、
小高い丘に建物をうまく埋め込む構造で
千年の歴史を持つ平等院の景観に配慮された造りになっています。
(設計:栗生明氏)

通路 
 
通路の壁面はコンクリート打ち放しのようですが
型枠の木目がはっきりとわかるような細工があり、
これが建築的には中々すごいものらしいです。
(この時同行の息子談)


昨年の9月に訪れた時の記憶なので(その時は保存と展示の関係に
ついてそれほど興味を持っていなかったので)
記憶が鮮明な展示室についてのみ記します。

百聞は一見にしかず、このような感じです。


鳳凰堂の中の52体の雲中供養菩薩の内、26体がこうして展示されています。

以前2000年の夏に鳳凰堂を訪れた時も52体の内26体がはずされていました。
何でも東京国立博物館での『平等院展』に出品中だと聞いたのですが、

その展示照明が大変素晴らしく、
担当された東博の照明デザイナー木下史青氏は
この『平等院展』で一躍注目を浴びるようになり、
現在も革新的で素晴らしい照明デザインで活躍されています。
(著作「博物館へ行こう」を読んですっかりファンになってます。)


鳳翔館の開館が2001年。
おそらく東博の展示仕様がそのままここで使用されているのでしょうか?

ということは、これが木下さんのデザインされたライティングなんだ!

雲中供養菩薩・・・
極楽浄土に向かう人を音楽を奏でながらお送りする菩薩さま。
まるで天使のようですね。

どの菩薩像も表情豊かでそれぞれ顔が違いますし
手に持つ楽器も違います。

鳳凰堂の天井近くの壁面に配されている時は
そこまで細かく見えないし気がつかなかったけど
ここでこうして観られるとは!

本当に素敵で素晴らしい照明です。

他には、鳳凰堂の屋根に留まる鳳凰1対が展示されていたのが印象的。
今は屋根の上にはレプリカ、本物はこの中なんですね。

美術館という立場で鑑賞される展示を主眼に保存管理もしっかりこなす。
「保存と展示」がうまく両立したいい例ではないでしょうか。

ただ近代建築の鳳翔館については
私は、いくら景観に配慮したとしても狭い平等院の敷地内で
少々の違和感はあるのです。
同行した息子(建築学科学生)は、仏教建築のレプリカを建てるより
返ってこの方がいいという考えでしたが。

・・・・長々と書き連ねてきましたが、
私は今、ある夢想を楽しんでます。

来年の東博でスポットライトを浴びる阿修羅像たち。
奈良に帰ってこられたら、そのときの展示そのまま
2010年に復元される予定の中金堂に配される。。。。
中金堂は保存管理も兼ねた美術館だったんだ実は!
っていう夢♪

ほんでもって、再来年の東大寺展でもね!
帰ってこられたら法華堂がいきなり木下マジックで彩られた
美の殿堂になっている・・・とか。
(きっと毎日でも通うよ、そうなったら!)

最後はちょっとはしゃいでしまいましたが、


手を伸ばせば届くところにある素晴らしい芸術環境。
恵まれた奈良の地に住みながら、
この宝物の数々にもっと触れる機会を生み出さなければ!
そして次世代、いえ、ずっとずっと先の世代まで
護り大切に伝えていかなければ!

追記>>

ただ思い浮かぶことを長々と書いてきましたが、
ここに書くことによって少しは考えがまとまるかなと
メモ的に感じていたことを「私感」という形で書きました。

書きながら私は仏像などを芸術作品として観ていると思いました。

専門的な勉強をしていない門外漢ですが、
芸術鑑賞をするのが大好きな一愛好家の立場で
こういう風に仏像展示がなされればいいのになあという感想です。

(優れた芸術作品を大切に護り保存し、
その芸術世界を一番素晴らしいやり方で、
そのものの本質・世界観に触れる機会をもっと作るということ)

こういうことをもっと掘り下げてこれからも勉強していきたいと
書きながら考えて思っています。


小さなホテル奈良倶楽部