2008年9月8日月曜日
法隆寺宝物館で夢想したこと☆
前の日記で紹介した東京国立博物館の中の「法隆寺宝物館」。
こちらで常時展示されているものは、
特別展などに出品される「目玉」になるような展示物ではないけれど
展示空間の全体の調和が美しくバランスが取れていて
申し分ないほど気持ちいい所でした。
だから展示物を観るためだけではなく
そこに身を置きたいためだけにでも訪れたいような所でした。
これは多分に私自身が、博物館や美術館に行くことがとても好き!
という性質を持っているから余計そう思うのかもしれませんが。
来館者はそう多くなく、でも閑散とした寂しい所かといえばそうではなく
ここに来る必要のある人が必然として居るというような静かな空間。
こういう場所にいると、自分を取り戻せるような感覚で落ち着くのです。
さきほど、ここには「目玉」な展示物はないと書きましたが、
本当はそうではなく、7世紀初めの飛鳥時代の宝物が、
今この時代に時間と時空を超えてここにある不思議。
脈々と受け継がれ守られていった圧倒的な時間を思うだけで
ここは「奇跡」を展示している所なのだと実は思うのです。
こういう感覚は「正倉院展」を観たときにも感じる感覚で・・・
正倉院宝物を観ると、1250年以上も前の品々が、
こんな美しい状態で保存され残っているという事実に敬意を、
そして1250年もの間、脈々と次世代へ守り繋いだという
意志や知性に誇りを感じるのです。
だから私は正倉院展に足を運ぶのですが、
この正倉院宝物をまとまって見ることができる機会は
非常に短期間で、非常に混雑しているのです。
奈良時代から守られてきた宝物のほとんどは
脆くて保存の難しいものが多いため、
常時公開するのは大変なことだと思います。
でもその時代よりも1世紀遡る法隆寺宝物が
智恵と工夫によって、こうして公開されていることを知り、
私は夢想してしまいました☆★☆
「正倉院館」を造りたいです。奈良に。できれば博物館の敷地内に。
静寂で知的な空間。奈良らしいところ。
何度でも訪れたくなるところ。
東京から帰って随分時間も経つのに、今だに
この夢想にうっとりと酔っています。
中々楽しいアイデアだと思いません?
小さなホテル奈良倶楽部