奈良公園の木々の中で、一番最初に秋色に染まるのはナンキンハゼの葉。
葉っぱのハート形がかわいいし
色づいていくのが葉っぱごとにちょっとずつ違って
彩りのグラデェーションも綺麗ですね。
気がつけば、明日からもう11月です。早いですね。
そろそろ紅葉具合が気になる頃で、お客様からの問い合わせも多くなっています。
では、奈良公園の木々が彩りをましていく様子を
今年も犬のお散歩がてらレポしていきましょう☆
正倉院前の銀杏並木も少しだけ色づいているし
春には見事な桜の花を咲かせていた「おかっぱ桜」もこんな感じ。
そして、今は大仏池周りのススキとナンキンハゼがすごく綺麗だよ♪
大仏池と大仏殿というのはよくあるショットだけれど
大仏池にグーちゃんというのも絵になるなぁ・・・っと失礼。
上の写真の右側は大仏池と戒壇院であります。
犬のグー、お年がお年なものですから、あまり遠出はできないけれど
(そう、大仏殿の前までは人混みもあって、ちょっとしんどいのです。)
大仏池周りや正倉院、講堂跡くらいまでは毎朝元気にお散歩しています。
身近なところの紅葉便りですが、今年もグーちゃんレポーターどうぞよろしくお願いします♪
::
今月は、毎日ブログを更新することが初めてできました。
最後は意地になっていたところもありましたが
何とか記録を達成できてほっとしています。(って何の記録?笑)
書くことは楽しみでもあるのですが、必ず毎日となるとしんどくもなりますので
11月はもう少しゆっくりペースで楽しんでいきたいと思っています。
観光のトップシーズンでもありますので、お出かけもままならず
旬の情報のお届けもかえってできないかもしれません。
でもできるだけ等身大の奈良の今を伝えていければと思っていますので
引き続きどうぞよろしくお願い致します。
(忙しいのでとかいいながら、本日も「ぐるっと周遊バス」に乗ってきました^^
乗車レポはまた後日、お楽しみに〜☆)
2009年10月31日土曜日
吉城園で「KOM展」
2009年10月30日金曜日
最近ハマっているもの☆
めずらしく今日は我が家の食卓の一品を2種ご紹介・・・。
最近、凝りに凝っているのが「塩糀」と「荏胡麻の摺ったもの」。
少し前にご近所の「はちみつ」さんでお食事をした時に
店主のあいさんから教えてもらったのがこの「塩糀」。
糀は奈良市の南、京終(きょうばて)町の「イゲタ醤油」を作っている井上本店さんで。
(そこで買ったのを「はちみつ」さんに分けてもらったのだ。)
糀:塩の割合は3:1。糀と同量よりちょっと多いめの水とで2〜3日発酵させると「塩糀」の出来上がり。
(と、これも「はちみつ」さんからもらったのだけど。)
塩糀をお肉や魚にちょっと付けて焼くと、不思議により一層美味しくなるし
野菜に付けて暫くおくと、即席のお漬け物の出来上がり。
(塩糀の分量はつけるものの10%くらい)
そしてこちらは、ご近所の向出醤油店で購入の「宝扇だししょうゆ」と
韓国で買って来てもらう「荏胡麻の摺ったもの」。
荏胡麻とだし醤油は相性抜群で毎日なにかの野菜で作ってる一品です。
ある日の食卓。
小カブの塩糀漬けと小カブの葉っぱの荏胡麻和え。
器は藤塚光男さんと村田森さんのもの。
だししょうゆを買った「向出醤油醸造元」さんは
奈良倶楽部最寄りのバス停「今在家」のすぐそばにあります。
いつか、仕込みの頃に見学をさせていただきたいと思っていますので
またレポを楽しみにお待ち下さいね!(気の長い話ですが^^)
最近、凝りに凝っているのが「塩糀」と「荏胡麻の摺ったもの」。
少し前にご近所の「はちみつ」さんでお食事をした時に
店主のあいさんから教えてもらったのがこの「塩糀」。
糀は奈良市の南、京終(きょうばて)町の「イゲタ醤油」を作っている井上本店さんで。
(そこで買ったのを「はちみつ」さんに分けてもらったのだ。)
糀:塩の割合は3:1。糀と同量よりちょっと多いめの水とで2〜3日発酵させると「塩糀」の出来上がり。
(と、これも「はちみつ」さんからもらったのだけど。)
塩糀をお肉や魚にちょっと付けて焼くと、不思議により一層美味しくなるし
野菜に付けて暫くおくと、即席のお漬け物の出来上がり。
(塩糀の分量はつけるものの10%くらい)
そしてこちらは、ご近所の向出醤油店で購入の「宝扇だししょうゆ」と
韓国で買って来てもらう「荏胡麻の摺ったもの」。
荏胡麻とだし醤油は相性抜群で毎日なにかの野菜で作ってる一品です。
ある日の食卓。
小カブの塩糀漬けと小カブの葉っぱの荏胡麻和え。
器は藤塚光男さんと村田森さんのもの。
だししょうゆを買った「向出醤油醸造元」さんは
奈良倶楽部最寄りのバス停「今在家」のすぐそばにあります。
いつか、仕込みの頃に見学をさせていただきたいと思っていますので
またレポを楽しみにお待ち下さいね!(気の長い話ですが^^)
秋薔薇の季節
久しぶりの一眼レフでカメラレッスン☆
父から譲られたせっかくのカメラも、重いし嵩張るしで
使わなかったらどんどん益々使いこなせなくなってしまいそう。
秋薔薇の季節。
花屋さんにも色んな種類の薔薇が並んでいて
甘いものが欲しくなる季節に
お花もちょっと甘い色合いのものを選んでしまいます。
薔薇の寺として名高い霊山寺のバラ園も
今は秋薔薇が美しく咲き誇っていることでしょう。
中々お出かけもままならないので
小さな薔薇の花をあちらこちらに活けては楽しんでいます。
2009年10月29日木曜日
11月のお出かけ情報
11月の奈良。奈良公園の木々が美しく色づいてしみじみと秋を感じる季節です。
今月はたくさんの行事や特別公開などが行われます。
奈良へのお出かけの参考にしていただければ嬉しいです。
<<伝統行事のご案内>>
◇11/1~11/3 唐招提寺『金堂落慶法要』
◇11/2 大安寺『開山忌 大般若転読法要』
◇11/2 宝山寺『仏名会』9:30~13:30
◇11/3 安倍文殊院『十一面観音法要』11:00~12:00
◇11/3 談山神社『けまり祭』11:00~12:00頃
◇11/3 春日大社『文化の日舞楽演奏会』13:00~
◇11/3 信貴山朝護孫子寺『柴灯護摩供野外火渡大祈願会 』14:00~
◇11/6~11/10 璉城寺『念仏会』
◇11/7~11/8 海龍王寺『布薩の法要』19:00~20:30
僧侶と一般参加者が一堂に会して懺悔する行法で仏教体験をすることができる。
前日までの要申し込み。各日定員20名。志納料1500円。(tel:0742-33-5765)
◇11/13 慈眼寺『十夜柿供養まつり』
◇11/13 興福寺『慈恩会』19:00~21:00 ※今年の会場は薬師寺にて
法相宗宗祖慈恩大師の忌日法要
◇11/14 大神神社『醸造安全祈願祭(酒まつり)』10:30~
(11/13 9:00から拝殿の大杉玉の掛けかえ)
◇11/17 談山神社『談山神社例大祭 』10:30~
◇11/19 川上蛭子『秋祭り』お昼すぎから夜まで
奈良倶楽部から徒歩圏内の川上蛭子社のえべっさん。
昨年の日記と一昨年の日記はこちらとこちら。
◇11/22 石上神宮『鎮魂祭 』
鎮魂(たまふり)の神業(かむわざ)により玉の緒が斎い結ばれる神秘な祭典です。
◇11/23 吉野 大日寺『火渡りの行 』13:00~
◇11/27 金峯山寺『愛染堂大祭 』13:00~
<<秘仏秘宝特別公開のご案内>>
◇11/1~11/3 法隆寺『上御堂特別開扉』
堂内には平安時代の釈迦三尊像と室町時代の四天王像が安置されています。
◇11/1~11/3 吉田寺『多宝塔 秘仏大日如来像開扉』
◇11/2~11/3 藤の木古墳『石室特別公開』9:00~17: 00
◇11/3 松尾寺『厄除観音特別開扉』9:00~16:00
◇11/3~11/10 帯解寺『寺宝展』9:00~16:00
◇~11/7 栄山寺『本尊薬師如来特別開扉』
◇~11/8 海住山寺『国宝五重塔開扉』9:00~16:30
◇~11/8 般若寺『寺宝特別展』
◇~11/8 信貴山朝護孫子寺 『国宝信貴山縁起絵巻特別出陳(尼公の巻)』9:00~16:00
◇~11/8 明日香 橘寺『聖倉殿(収蔵庫)特別公開』9:00~16:30
◇~11/10 薬師寺『大宝蔵殿公開』8:30~17:00
◇~11/12 奈良国立博物館『第61回 正倉院展』
◇~11/12 法華寺『十一面観音像特別開扉』9:00~17:00
期間中、国史跡名勝庭園・慈光殿も公開されます。
◇~11/12 海龍王寺『十一面観音特別開帳 』
春の公開時に拝観しましたが素晴らしく美しい仏様でした。
◇~11/15 霊山寺『秋バラと秘仏公開宝物展』
本尊薬師如来像、脇侍日光・月光菩薩像の秘仏公開と
三重塔内壁画や十一面観音像など白鳳期仏像の特別公開。
◇~11/15 西大寺『秋の秘仏愛染明王坐像特別開扉』9:00~16:30
◇11/17~11/29 春日大社宝物殿『春日権現験記の世界』9:00~17:00
◇~11/22 法隆寺『夢殿特別開扉』 8:00~17:00(11/4以降は16:30まで)
救世観音像が特別拝観できます。
◇~11/23 9:00~17:00 興福寺仮金堂 『国宝特別公開2009 お堂で見る阿修羅』
北円堂も合わせて特別公開されます。拝観料二カ所共通1500円
運慶一門による弥勒如来坐像(国宝)
無著・世親菩薩立像(国宝)が特別拝観できます。
ブログ内記事はこちら。
◇~11/23 不退寺『秋期寺宝特別展』
在原業平画像開扉、伊勢物語公開、木造五台明王像、木造聖観音立像の公開。
◇~11/30 聖林寺『マンダラ展』
◇~11/30 正暦寺『本尊薬師如来倚像特別公開』9:00~17:00
◇~11/30 法隆寺『秘宝展(秋)』9:00~16:00
◇〜11/30 安倍文殊院『文殊師利菩薩像特別公開』9:00~17:00
◇~11/30 浄瑠璃寺『吉祥天女像開扉』
◇~11/30 大安寺『十一面観音特別公開』9:00~16:00
天平時代の秘仏を特別公開。
◇~11/30 當麻寺『秋の寺宝展〜霊宝館収蔵宝物特別公開〜』
新天井画「太」「和」の2作品をプレ公開。
◇~11/30 長岳寺『大地獄絵開帳と絵解き説法』9:30~17:00
本堂にて狩野山楽筆「大地獄絵」が開帳され住職による説法が行われます。
◇~12/31 長谷寺『長谷寺大観音特別拝観』9:00~16:00
この期間に合わせて西国三十三カ所関連の宝物が見られる
『秋期特別寺宝展』も開催されています。
◇~2010年12/31 新薬師寺『香薬師如来特別公開』
<<イベントのご案内>>
◇~11/8 『ならまちナイトカルチャー』
詳細はこちらのパンフレットから。
昨年の演目のご案内と今年の5月に参加した様子はこちらに。
ふぅ、11月は奈良観光のトップシーズンだけあってお出かけ情報満載ですね。
実は昨年も同じことを書いてしまったのですが・・・。
秋が日に日に深まりゆくこの季節の奈良は本当にどこもかしこも美しいです。
もう特に何も考えずに、何かを見に行くというのでもなく
ただただそこかしこを、自然の中を歩いてみてください。
散策・・・きっとそれが一番美しい奈良の思い出になるのでは・・・と。
2009年10月28日水曜日
お知らせ*週末の奈良公園周辺交通規制について
今週末の土・日曜日(10/31・11/1)と11/3の祝日に
奈良公園周辺では通行規制や一方通行が実施されます☆
時間は9時頃から17時頃まで。
一方通行に伴って車両進入禁止になっている箇所も多いので
この日に奈良へ車でお越しのお客様はこちらのサイトで要チェック!
また、昨年同様、今年も奈良公園の中を無料周遊バスが走ります。
これがまた!ちょっと魅力的なコースで私も乗りに行ってみようかなと思ってます。
コースの詳細はこちらをご覧下さい。
昨年のこの周遊バスの乗車レポは智林堂書店さんのブログでご覧いただけます。
観光シーズンの奈良の交通渋滞の凄まじさは知る人ぞ知るなのですが
例えば、近鉄奈良駅から東大寺大仏殿前まで、普段なら車で5分のところが
大体40〜50分はかかるでしょう。それほど車が動かないのであります。
このような渋滞の緩和対策への取り組みとして
公園内を一方通行にすればどうだろう等、今年も3日間だけ「社会実験」を実施されるのです。
また「パーク&ライド」といって、奈良市郊外に大型無料駐車場の用意と
奈良市内への無料送迎シャトルバスなども用意されています。
本当は公共交通機関を使って奈良にお越しいただくのが一番いいのですが
車でお越しの場合は、こういった郊外駐車場のご利用もお奨めです。
※市内の有料駐車場は朝一に満車になりますと夕方まで動きません。
これは何故かと申しますと、奈良の駐車場の多くは時間制ではなく一日一回1000円だから。
何時間駐車しても同じ料金ですから途中で出庫する車は少ないのです。
県外の方にはあまり知られていないようで、何時間も駐車待ちをされている車の列を見ると
いつもう〜んと思ってしまいます。
::
トップの画像は今朝の大仏池周辺の様子。
少しずつですが、奈良公園内は秋色に染まっています。
2009年10月27日火曜日
花梨の薫りと、思い出すこと
いつもこの時期に ご近所の五劫院さんからいただく花梨の実。
花梨シロップを作る前に 館内のあちらこちらに置いて
その芳香を楽しのは毎年のこと。
::
そして、花梨の実を置くと
ずっと正倉院展の時期にご宿泊下さっていた青森のKさんを思い出すのも毎年のこと。
花梨を見てKさんはいつも「まるめろだ」とおっしゃって
私が「これは花梨ですよ」と言っても「青森ではまるめろというのだよ」とおっしゃる。
そんなやりとりをよくしていたのでしたが
ご病気をされて「しばらく奈良までは行けないよ」とご連絡をいただいて、もう数年が経ち・・。
いつかお元気になって、また奈良までお越しいただける日が来ますようにと
今年も花梨を置きながら、私は「まるめろ」と心の中で呟いてみるのです。
::
Kさんが奈良倶楽部にご宿泊下さっていた十数年前は
まだ一人旅がそれほど一般的でなかった頃で
翌日の朝食の席で、一人旅の方同士でお話が弾むことがよくありました。(勿論今でもですが)
Kさんにお声をかけられた方も多く
Mさんは毎年「Kさん今年はいつ来られるの?」とお尋ねだし。
夕食無しでご宿泊だったOさんには「ここの夕食は絶対美味しい」とお奨め下さったり。
その翌年からOさんはいつも夕食を楽しみに来て下さるようになったし。
・・・今日は花梨の話から、長くお越しいただいているリピーターのお客様を思い出しています。
::
正倉院展に毎年お越しいただいている方々の多くが
奈良倶楽部の夕食を楽しみにして下さっていましたので
今年は、Oさんや多くのリピーターさんに、ご予約時に
「実は3月から夕食無しの宿になりました」とご説明して
その時にちょっと申し訳なく感じています。
色々な事情が重なって「夕食無しの朝食付きの宿 Bed&Breakfast」という選択をしたのですが
私達の中では、単に夕食がついてない「片泊まりの宿」ではなく
朝食がとても美味しい宿を目指しています。
「奈良倶楽部の朝食を食べたいために泊まる」とおっしゃっていただけるよう
日々努力してまいります。リピーターの皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
::
話はかわって、トップの画像の左の写真は
「おれんじぴーる」さんより届いた今月の奈良倶楽部オリジナルの香り。
今月の香りは正倉院展にちなんで、はるか天平時代をイメージしたものです。
アロマランプにたらした香りが広がるようにこのようにミストでも楽しんでいます。
2009年10月26日月曜日
黒豆づくしの丹波篠山 口福ランチ♪
先日ご案内しました「秋篠の森 月草」のイベント「丹波篠山 秋の口福」展へ行ってきました。
お昼にいただいたのは『黒豆づくしの丹波篠山 口福ランチ』です。
黒豆がたっぷり入った黒豆ごはんや、お野菜たっぷりの黒豆味噌汁。
デザートにいただいたのは、丹波栗がごろごろ入った「銀よせ羊羹」や「しぼり豆」。
黒豆味噌を作られた酒井了子さん手作りの梅干しも黒豆の枝豆も美味しかったなぁ♪
このイベントのために出展して下さった大福堂さんのスイーツや、酒井了子さんの黒豆味噌を
プレゼント用にラッピングしてもらって、明日は母のお誕生日。久しぶりに実家へ行ってみようと思ってます。
「丹波篠山 秋の口福」展は昨日と今日の二日間の催しでしたが
黒豆味噌と梅干しは「秋篠の森 月草」にて、しばらくの間 販売されるそうですよ☆
お昼にいただいたのは『黒豆づくしの丹波篠山 口福ランチ』です。
黒豆がたっぷり入った黒豆ごはんや、お野菜たっぷりの黒豆味噌汁。
デザートにいただいたのは、丹波栗がごろごろ入った「銀よせ羊羹」や「しぼり豆」。
黒豆味噌を作られた酒井了子さん手作りの梅干しも黒豆の枝豆も美味しかったなぁ♪
このイベントのために出展して下さった大福堂さんのスイーツや、酒井了子さんの黒豆味噌を
プレゼント用にラッピングしてもらって、明日は母のお誕生日。久しぶりに実家へ行ってみようと思ってます。
「丹波篠山 秋の口福」展は昨日と今日の二日間の催しでしたが
黒豆味噌と梅干しは「秋篠の森 月草」にて、しばらくの間 販売されるそうですよ☆
2009年10月25日日曜日
第61回 正倉院展
昨日、正倉院展初日でしたが、オータムレイトで混みあう前の時間帯が狙いめではと
夕方17時頃に博物館へ行ってまいりました。
やはり待ち時間0分ですんなり入場でき
展示ケースの廻りも一重の人垣程度でしたので
ゆっくりと鑑賞、堪能することができました。
鑑賞記はさておき、待ち時間などを先に書きましたのは
仕事柄、お客様に「どの時間帯に行くのが一番いいですか?」とよく尋ねられますもので。
過去の奈良倶楽部の予約状況から見ても
11月初めにNHK「新日曜美術館」で正倉院展を取り上げられた直後は予約の電話が集中します。
もし行かれるのでしたら、できれば10月中の夕方頃がお勧めではと思います。
::
さて、正倉院展を鑑賞した感想なのですが。
感覚的な言葉で言い表すなら
私にとっては、この展覧会だけは「オーラ」が違うのです。
(もし展覧会オーラというものがあるとしたら)
1000年以上も前のものが、これほど丁寧で繊細でデザイン性に優れていて
色彩ひとつ取っても、こういう配色でくるか、と。精巧な細工の技術も素晴らしいけれど
デザインや色合いなどの美的センスというか、とにかく美意識の高さに毎回感嘆の声を上げています。
美しいものに触れるのが大好きなので、昨日も、心の芯に明かりが灯ったような感覚を抱いて
満ち足りた気持ちで会場を後にしました。
好きな色だったり形だったり図柄だったりを図録の写真からピックアップ♪
今年は工芸品の出陳が多かったので、工芸好きにはたまらない、観ていて楽しい展覧会でした。
また、刀類の展示も多かったのですが、どれもこれも実用のものなのに
これほどの装飾をするのかと感心しながらもうっとりと眺めていました。
←この金銀鈿荘唐大刀の装飾のセンスの良さには脱帽でした。
こういう、聖武天皇遺愛の太刀は百口ほど宝庫に納められたそうですが
恵美押勝の乱(764年)の際に出蔵されてほとんど戻ることがなかったとか。
今年、天皇陛下御即位20年記念の出陳としては
宮中で正月初子の日に、その年の豊作を祈願して行われている農耕や養蚕の事始めの儀式。
今も天皇皇后両陛下によって執り行われている儀式だそうですが
その儀式用の鋤や、蚕室を掃き清める箒などが展示されていたのは興味深かったです。
下の写真左は、鋤と鋤先の美しい文様。
写真中の箒の根元には、紫色に染めた鹿革が巻かれ、その上に金糸が。
枝先にはガラス玉が挿し込まれている。
写真右はその箒を立てる台。色や柄はキュンとなるくらい素敵。
←漆花形箱はちょっと気になるデザイン。
2種類の花形箱を交互に四口ずつ八口配列すると
全体の形は大きな八稜花形となる盛り分けの器。
遊び心が感じられて好きです。
::
正倉院に伝わる宝物は本当に保存状態が良くて
一昨年の正倉院展鑑賞記にも記したように
・・・1250年以上も前の品々が、このような美しい状態で保存され残っているという事実に まず敬意を、
そしてこうして1250年もの間、脈々と次世代へ繋いでいくという意志や知性に、
日本人としての誇りを感じました。・・・と、毎回感じ入っているのですが
保存のための修復や補修、新補もされているわけで、下の写真の、花鹿が配された金銀花盤も
皿の縁から垂れる飾りや脚は明治時代の新補だそうです。
会場で観たときに感じたちょっとした違和感を帰宅してから図録で確かめたのですが
新補や修復の部分がある場合などは、その旨キャプションに書いておいていただければ
いいかなと思いました。
::
夫は本日、日曜日ですが、夕方17時頃に行ってきました。
帰宅した夫に混雑具合を聞きましたら、それほどの混雑はなく
ゆっくり観られたということ。
二人で感想を話し合いながらの夕餉はオツなものです。
ちなみに夫は、男性の視点からか、刀類の素晴らしさが一番印象に残ったそうです。
::
光明皇后御書「楽毅論(がっきろん)」の最後に署名された「藤三娘(とうさんじょう)」について。
「藤三娘」というのは藤原氏の三女の意味で、藤原不比等の三女である光明皇后のこと。
この時、皇后は44歳でした。
藤原氏の出であるということをこういう形で強調されることに
私は最初、ちょっと戸惑いを覚えました。
皇后という立場で44歳という年齢でありながら
未だ実家の名前を堂々と出してこられるという感覚を不思議に思ったのですが
この時代の藤原氏と天皇家の関係など複雑な政治的背景が関連もしているのでしょう。
(もし現代のこういうお立場の方が、同じように実家を持ち出した形の署名をされたなら・・・
マスコミで結構なバッシングにあわれるのではないかなと思ったり。
反対に、奈良時代にはこういう方もいらっしゃったのだから
それほど我慢されなくてもいいのではないでしょうかとも思ったり。)
こんな些細な理由で興味を持ちながら学識的なこともあまり知りませんので
会期中の「公開講座」なども受講してみたいと思っています。
(でも時間が取れるかどうかわかりませんが・・・。)
::
こちらはオータムレイトチケットを購入したときにいただける記念品。
上が今年、下が昨年の記念品です。
昨年は60回目の記念の年ということで第一回目の入場券をデザインした栞でした。
61回目の今年は第二回目の入場券のデザインになっています。
(オータムレイトの前に入場しましたので、会場を出てからもう一度
この記念品ほしさにレイトチケットを購入したのですが小中学生用チケット購入でも付いてきますので。)
::
いつものことながら、とりとめなく長々と書いてきました。
まだ書いていない、他にも
写経事業に従事した人たちのこととか、越前国のちょっと可笑しい名前の村のこととか
何だかかんだか色々なことを、行ってこられたお客様達との会話の中で楽しもうと思っています。
「第61回 正倉院展」の詳細は奈良国立博物館のサイトでお確かめ下さい。
公開講座や会期中のイベントなどについても掲載されています。
2009年10月24日土曜日
東大寺境内の校倉をご案内☆
正倉院についての記事が続きましたので、今日も関連記事を少し。
正倉院と同じ校倉(あぜくら)造りの建物が
東大寺近辺に、他にもあるのをご存知でしょうか?
実は、全部で6棟もの校倉造りの建物があるのです。
よく目に触れるのが、法華堂(三月堂)と手向山八幡宮の近くの校倉。
ここには2棟の校倉が建っていて(下の写真の③と④)
柵や塀で囲まれていませんので、すぐそばで
三角形の木を組み立てた校倉造りの構造をじっくりとご覧いただけます。
2棟とも天平時代に建てられたものです。
それから意外と知られていないのが
正倉院のそばにもう一つの校倉造りの建物があるということ。(写真②)
木立に覆われて、ちょっとわかりにくいですが
正倉院を見学する時に左手奥の方にその建物が見えますよ。
では今まで撮りためた写真で ご案内いたしましょう。
①ご存知、正倉院。
②正倉院の南の方にも校倉があります。
②ズームで撮影した正倉院の構内にある聖語蔵。
③法華堂経庫(重文)です。左側が法華堂。
④手向山八幡宮南側に建つ手向山八幡神輿庫。
⑤勧進所内、八幡殿左に建つ勧進所経庫(重文)
⑥東大寺本坊経庫(国宝)
上の写真の⑤と⑥について。
⑤の勧進所経庫は先日(10/5)の転害会の時に八幡殿が特別公開された時に撮影したもの。
⑥の本坊経庫は8/6の「理源大師坐像特別開扉」時に撮影されたもの。
両方とも普段は非公開です。
では、最後に①の正倉院外構の公開について。
・普段の公開は、月曜〜金曜の毎日。10:00~15:00。(祝日と年末年始を除く)
・正倉院展開催中はその期間中全日。10:00~16:00。
どちらも参観無料です。
正倉院展をご覧に奈良国立博物館まで来られたら、もう少し足を延ばして
ぜひ正倉院まで見に来てくださいね。
また、ちょっと残念なお知らせですが
正倉院の屋根瓦の葺き替えが2011年度から2年計画で行われますので
期間中、建物は覆いが被せられて見学ができなくなります。
ということで、是非この機会にご覧になってくださいね☆
::
東大寺だけではなく、唐招提寺にも校倉が二つ残っています。
宝蔵と経蔵。ともに天平時代に建てられた校倉造りです。
特に、経蔵は寺創建以前の新田部親王邸の建物を改築したものと推定されていて
正倉院よりも古いと云われています。宝蔵、経蔵ともに国宝です。
しかし、それにしても、私の写真の撮り方といったら!
何故か真正面からの撮影をいつも外していますね。
せっかく撮っても写真がわかりづらくて申し訳ないです。
唐招提寺の校倉ですが三角の木材の木組みはこのような感じです。
こんな風に、何気に天平時代の遺構がそこに存在している・・・。
普段は当たり前のように見ていますが
こういうこと自体、奇跡に近いすごいことなのではと、ふと思ったりしています。
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