2007年9月15日土曜日

奈良少年刑務所見学ツアー

奈良倶楽部から歩いて15分くらいのところに、明治時代に建てられた赤煉瓦の立派な建物があります。



奈良少年刑務所+++

コスモスで有名な般若寺のすぐ近くにあり、般若寺までお散歩にお出かけのお客様に、こちらも是非ご覧になって下さいとお薦めしているのですが・・・

お客様「えっ?刑務所・・・ですか?」
やっぱりちょっと引きますか(^^;)

でも明治41年建造のままの威風堂々たる雄姿を目の当たりにすると、やっぱり「すごいな~!」と感動してしまいます。

普段は塀の外側からしか見ることのできない少年刑務所の中に一年に一度、入ることができます。

「奈良矯正展」

全国の刑務所で生産した家具や小物、食料品などが販売されます。
丁寧な手仕事の製品は人気が高く、毎年この矯正展を楽しみにしている人も多いのです。
明治時代に建造された赤煉瓦の建物も見ごたえがあり、
また所内の見学ツアーも企画され、 当日の申し込みにより中を案内してもらえます。

というわけで、行ってきました。



正面の門を入ったところ。なんだか異国情緒があってちょっとノスタルジックな雰囲気です。
ジャズピアニストの山下洋輔さんの祖父、山下啓次郎氏が設計されたものです。

 塀の内側から。高さ5mはあります。

塀の内側には監視人が入るこんなスペースも。      

 
模擬店の様子です。


見学ツアーは午後から受付で先着20名ずつ1グループで20分毎にツアーがあります。(ツアー所要時間も約20分)

主に、受刑者の作業場を見学して回ります。

所内の各建物はほとんど明治時代に建造されたもので、それを屋根付きの渡り廊下で結んでいるのですが、中庭の花壇の風景も含めて、昔の小学校を思わせるようなどこか懐かしい風景でした。(写真撮影禁止のため、ツアー見学中の画像はありません)

印象的だったのは、作業場には冷暖房設備がないこと。これは厳しい環境にも耐える忍耐力を養うためらしいですが、実際かなり厳しい環境だと思いました。

またきちんと整理整頓されていて掃除がいきとどいているのにも感心しましたが、中庭など外のどこを歩いても草一つ生えてないという徹底さには感心を通り越して驚きでした。

週40時間に及ぶ作業(職業訓練)はここでの懲役刑のひとつとして義務づけられているものですが、この訓練を通して出所後の社会復帰も目指しています。

ちなみにここの理容科の人たちの合格率は100%らしいです。(一般的には60%らしいですが)
木材工芸科・ソフトウエァ管理科・そして時代を反映して介護・看護科もあるそうです。

木材工芸科で作られた家具がたくさん展示販売されていましたが、けっこうお洒落なデザインのものもあって、またびっくりするくらいお安いお値段なので、かなりの人気商品のようでした。

刑務官の方々の熱心な姿や受刑者たちの真摯な作品に触れ、刑務所に関する今までの先入観が一掃された見学ツアーでした。

 延々と続く塀。

100年以上も昔の風格漂う赤煉瓦。


  塀の外には白い百日紅の花が綺麗に咲いていました。

奈良矯正展:毎年9月上旬の土・日曜日に開催されます。
問い合わせ:0742-22-4961(奈良少年刑務所)


小さなホテル奈良倶楽部