昨日の日記にも記しましたが、
来年3/31~6/7開催予定の「国宝 阿修羅展」
展示ケースから出られた八部衆像がどのような感じなのか
想像するだけで今からワクワク楽しみなことです。
興福寺
国宝館
4月から就任された興福寺・国宝館の新館長は
長らく東京国立博物館の副館長を務められ、
今春開催された「国宝 薬師寺展」はじめ
来年の「阿修羅展」再来年の「東大寺展」と
奈良に関する大きな特別展を企画推進されてきた方。
(興福寺友の会会員に送付される冊子『興福』より)
その冊子『興福』からの抜粋ですが、
「薬師寺展」の成功の一つとして、
作品にとって必要な鑑賞空間を事前に検討し、
鑑賞者が彫刻と対面する場と時間も考慮したことを
あげられています。
だから、作品を展示ケースの中に置けば、
作品に必要な空間が抑制されて作品の良さを引き出せないと。
憂いを含んだ内省的で繊細な表情を魅力的に引き出す展示、
そのための十分な空間を考慮したデザイン設計。
ディスプレーと照明の検討・・・・。
もう今から十分な準備が始まっているのですね!
東京での「薬師寺展」は残念ながら観に行けなかったのですが
テレビでこの展覧会までの様子を放送されたものを見て、
それだけでも十分その展覧会の素晴らしさが伝わってきました。
テレビの中で印象的だったのは、
薬師寺の僧侶たちが、両菩薩像が運び出される前に
菩薩像をいとおしみ、慈しみ、丁寧に拭いておられる様子でした。
白鳳時代から今現在まで、
多くの人々に護られ愛され脈々と引き継がれてきた大切なもの。
場所はかわって、博物館の展示会場となっても
そこで展示する人達の、たくさんの人々の想いが結実し、
会場で昇華したんだろうなあと想像してしまいました。
うん、そう!
その仏像を大切にしているまわりの人の想いって
案外かなり重要な要素かもしれない。
奈良国立博物館で開催中の「法隆寺金堂展」での展示空間も
法隆寺の仏教空間を表現したいという人の意思。
7/5に特別開扉された重源上人坐像(国宝)も
とてもとても大切にされている様子がよく伝わって
とても素晴らしいエネルギーを感じることができた。
これも人の意思の結実だと思う。
唐招提寺の仏像修理所で先日特別公開されていた
盧舎那仏坐像はどうなんだろう?
あの時、仏像修理所は体育館みたいな仮の場所で
とても仏さまがいらっしゃるところではない場所だったけど
あの時私は盧舎那仏坐像にキューンとなってしまった。
あれは一体なんで?
勿論仏像の持つ本来の力も大きな要因だけど、
あの時もお寺の人達の仏像を大切に想う意思があった。
蛍光灯の下でというような場所でも、もっと大切なのは
人の意思。
そういう測りでものを見ると
感動を受けるものとそうでないものの違いがよくわかる。
大切に想うからこそ保存を。
次世代に素晴らしい文化遺産を伝えていかなければ!
(もう少し続く。。)
小さなホテル奈良倶楽部