2010年4月24日土曜日

新しいブログに引っ越します*

いつも「奈良倶楽部通信」をご愛読いただきましてどうもありがとうございます。

突然なことなのですが、このアドレスでの「奈良倶楽部通信」は
新しいアドレスの「奈良倶楽部通信 part:II」に引っ越すことにしました。
これからも今まで同様、どうぞよろしくお願い申し上げます。



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お引っ越しの理由は・・・
1300年前に、この地で行われた、都のお引っ越しに倣ったわけではないのですよ。
いつものことですが、ちょっとしたへまなことから
ブログに画像をアップできなくなってしまったのです。
(パソコンに慣れた方なら基本的な当たり前のことだと思うので、恥ずかしいのですが
写真を大きいサイズのまま取り込んでいて画像の容量がオーバーしてしまったのでした・・)

今まで、奈良のあれこれを気ままに綴ってきましたが、拙い文章でも美しい奈良の風景に助けられてこそ。
そんなことで、突然の出来事でしたが、気持ちを切り換えて
新しい「奈良倶楽部通信 part:II」に遷ることにしました。

GWを前にして、奈良の見どころのお尋ねや、平城遷都1300年祭への問合せも多くなってます。
お客さま方の、旅の計画の一助に少しでもなれるような
そんな奈良の旬の情報を、新しいブログでもお届けしていきたいと思っています。
感謝とともに・・・これからもどうぞよろしくお願いします。

                 小さなホテル奈良倶楽部 谷 規佐子

2010年4月23日金曜日

「奈良きたまち」のサイトのご案内

『奈良きたまち』についてのサイトが新しく開設されました→

「きたまち散策」では散策マップやスケッチ散歩など、ぶらり歩いてみたくなる魅力がいっぱい。
「歴史の雫」では6つの散策コース別に大小さまざまな歴史を紹介。
その他に行事やお祭りなどの紹介もあり、とてもわかりやすいホームページができました。

奈良倶楽部もこの『奈良きたまち』の一員として、きたまちの魅力を発信していきたいと思っています。
(奈良倶楽部通信内のきたまち関連記事はこちら。)

2010年4月22日木曜日

奈良国立博物館「平城遷都1300年記念 大遣唐使展」



毎月22日の『夫婦の日』割引きを利用して、本日は二度目の鑑賞です。
初日に観たときは、イヤホンガイドを借りキャプションを読み
説明内容を反芻しながら必死で鑑賞しましたので、随分と時間もかかったし
集中力も途中で切れそうなくらい、展示内容の充実度についていくのがやっとでした。

二度目の今日は、買っていた展覧会図録であらかじめ予習もして
気になっていたものを、もう一度詳しくじっくり鑑賞したり
展示室全体から、お気に入りだけを贅沢に観ていったり。
また私の苦手な「書」については、事前に、
書に造詣の深いこの方に見どころを尋ねておきましたので、少々理解もできて満足満足。
素晴らしい展示品の数々を集中力を切らすことなく十分堪能することができました。

それにしても、本当に「よくこれだけのものを集めてくださった」ことと思います。
遣唐使の先駆けである遣隋使が派遣された607年から遣唐使停止の894年までの約300年間に渡る
日中両国を舞台にしたダイナミックな交流〜人、仏教、文化、学問、技術や制度〜を
展示品の数々で紹介し、遣唐使の果たした役割や、日本という国が大きく成長していった軌跡、
その時代の空気感や、奈良がその時代どれほど国際色豊かなスケールの大きい都市であったかなど
この展覧会を通してよくわかります。

8世紀に日本で作られた薬師寺の「聖観音菩薩立像」と同時代に唐で作られた「観音菩薩立像」
両像並んで展示されているのを観られただけでも大感激だったのですが

 
水墨の濃淡のみで、躍動感溢れる馬の姿が見事に美しく描かれた『照夜白図』や
正倉院宝物「鳥毛立女屏風」を連想させられる『仕女調鳥図』などの唐の絵画も素晴らしいし。

小さな携帯用の小仏龕
『諸尊仏龕 』も固い白檀によくこれ程の細かい細工ができたものと、溜息ばかり。

『吉備大臣入唐絵巻 』や『天寿国繡帳 』『五重宝函(舎利容器)』もはずせないし・・と
一回目に観た時は、とにかく王道を中心に観ていったのでしたが

鑑賞に慣れた二度目は、前回ゆっくり観なかったものをよく観てみようと・・・。
そうしたら、案外面白いものですね。
『小野毛人墓誌 』や『船王後墓誌 』など銅製の墓誌に残る、あんまり上手とは思えない字に興味がいったり。

誕生仏のような小さな愛らしい仏さまが、私はどちらかというと好きなのですが
意外な誕生仏も見つけました。
愛知県の正眼寺の『誕生釈迦仏立像 』
我が国で制作されたものの中で最古の作品だそうで、何ともキュートですよね。

小さな仏像が好みといえば、こういうものもありました。
『釈迦如来坐像・多宝如来坐像 』
東大寺戒壇院の創建当時に本尊として制作されたもののようです。
小さいながらも何故かぴりっと惹かれるものがあるのです。

また、本館会場には、正倉院宝物と関わりの深い品々を集めたコーナーがあり
遣唐使が持ち帰った将来品と、正倉院宝物(写真で展示)を比べると
正倉院宝物のいかに保存状態が素晴らしいかということが一目瞭然にわかります。
(反対に東大寺の八角燈籠の火袋は大仏殿前のは大気の汚れで黄緑色に錆びたようになってますが。)
このコーナーに展示してあった
『石名取玉』というお手玉に似た遊戯玩具も素敵。

・・・と長々とお気に入りの展示物を羅列してしまいましたが
本当にわくわくと楽しい展覧会でした。是非是非お奨めです。

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展示替えがあって、4/27~5/23の期間だけ展示される『刺繡釈迦如来説法図 』や『倶舎曼荼羅 』。
また5/25以降展示される『東大寺戒壇院厨子扉絵図』も密かに楽しみにしているのですが
う〜ん、そうすると後2回は行かなきゃね。

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・・・・昨年、ほとんど県外の美術館を訪ねることなく知的満足美的満足をしていたのは
ひとえに、奈良の国立博物館での内容の濃い展示物に、非常に満足していたからだと思っています。
一つの特別展に、展示替えもある都合上、2度3度は訪れているのですが
友の会パスポートでは一つの展覧会に一度しか使えないというのが、ちょっと残念に思うのです。
せめて、2度目は半額でとかになれば嬉しいのですが。

また2~3年前まで、毎年お正月に開催されていた「新春国宝展」も
いつのまにか無くなってしまいましたが、毎年楽しみにしていたのです。
あの展覧会で、「国宝」指定されている名宝がどれほど素晴らしいものかに目覚めた私です。
是非再開してほしいなぁと願っています。
(新春らしい、いい展覧会でしたよね。)

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さて、この「大遣唐使展」が6/20で終了した後、6/21~7/20までは
全館休館になる博物館ですが、この期間に本館もリニューアル工事が入って
照明も一新され、あらたな「仏像展示館」として生まれかわるそうですよ。楽しみです。

「大遣唐使展」の詳細は博物館のHPをご覧下さい。→
また、このブログ記事に掲載の展示物の写真は図録から撮ったものです。

2010年4月21日水曜日

庭の恵み

まずは中庭のハナミズキ、満開になりました。

 
この花も色が少しずつ変化します。最初は花の淵のピンクが濃い色で、満開の後はほぼ白色に。
建物の間につくられた中庭。ここでは日当りを求めて年々、木の背が高くなって
ハナミズキも今では花の咲いている様子を見上げなければ見えなくなりました。

ちょうどお泊まりのお客さまが、「10数年前に泊まった時は
ダイニングでお食事をしながら満開の花を見ていたのに、近頃は随分ノッポになりましたね。」と
見上げて懐かしそうにおっしゃって下さいました。

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さて裏庭には、ただ今シャガと山椒の花が庭中を占拠しているような感じです。

 
昨年、ご近所のKさんより花山椒の佃煮をいただいて、あまりの美味しさに
今年は自分もチャレンジしてみようと、花が生るのを待っていたのでした。
ボウルいっぱいに採って・・・
ついでに自生している蕗も採って  

 蕗の葉っぱも佃煮にしました。花山椒の佃煮も美味しくできましたよ♪

こうして自然の恵みをいただいていると
ひょっとして、もう生っているのでは?と確かめに行きたくウズウズしてきたのです。
何がって?

  

これです。蕨です! 

近くの雑木林まで走って摘んできました。
重曹を入れてサッとゆがいて一晩水につけて灰汁抜きです。
まだあまりたくさんは生っていなかったので、春の野遊びの楽しみはまだまだこれからですね。

2010年4月20日火曜日

「奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)」はまだ蕾です*


(2009年4月22日撮影 知足院のナラノヤエザクラ)

毎年この時期に書いているのですが、奈良県の県花でもある「奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)」
この名前は「奈良に咲く八重桜」という意味ではなくて
こういう「ひとつの品種」を指して言います。
百人一首にも詠まれた
『いにしえの 奈良の都の 八重桜 けふここのへに 匂いぬるかな』(伊勢大輔)
の八重桜で有名ですね。

奈良倶楽部のすぐご近所、知足院の裏庭には国の天然記念物に指定された「ナラノヤエザクラ」があります。
東大寺塔頭の知足院の裏藪の中で ひっそりと咲いていた桜が
大正11年、知足院を訪れた植物学者の三好学博士によって古歌や史実などに出てくる桜と同種であると発見され
翌年3月「知足院奈良八重桜」として国の天然記念物に指定されました。


この知足院の「ナラノヤエザクラ」から接ぎ木をされた「ナラノヤエザクラ」が
転害門の東側、鼓阪幼稚園の傍にあります。
(県庁横登大路駐車場・奈良公園会館奥・奈良国立博物館・奈良女子大学・平城宮跡などにもあるそうです。)

昨日の様子ではまだ固い蕾でした。
 

知足院のナラノヤエザクラもきっと固い蕾だとは思うのですが
お散歩の帰り、ついでに寄ってみました。

  
ここで、偶然この場にいらっしゃった知足院の奥様から色々お話をうかがうことができました。

昨年撮影したトップの写真の木(上の写真の左と中)もそうなのですが
これは原木から接ぎ木したナラノヤエザクラだそうで
原木の木は、残念ながら昨年、風雨によって倒木したそうです。
ただ、親木が倒れる時には子供の木がちゃんと横から生えてくるようになっているらしく
原木の横に幼木がちゃんと出てきているということでした。(写真右のフェンスに囲まれた中)

また、この接ぎ木のてっぺんに「今朝一つだけ花びらがほころびかけのを見つけた」と
奥様は嬉しそうにおっしゃってました。
「どこですか?」とお尋ねしても、肉眼では見えないそうで
きっと毎朝、今日か今日かと楽しみに花の咲くのを見守ってらっしゃるのでしょうね。
「この様子でしたら来週くらいが見頃でしょうか?」とお聞きしましたが
「この桜は本当に繊細でね。また明日から雨が降るでしょう。だからまだわかりませんよ。」
ということでした。

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ところで転害門のナラノヤエザクラのところには1本だけ
もうすぐ咲きそうな木があります。この八重桜は何という種類なのかしら??


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<<おまけの画像>>
近頃、往復10分以上は歩きたがらない老犬グーちゃん。
知足院への上り坂では、途中何度もエンストを起こして前足で踏ん張ってストップをかけます。

   
若い頃はどんな坂道でもへっちゃらでグイグイと私を引っ張ってくれたのにね。
でも帰りは「やれやれ、もう帰れる」とばかりに一目散で下って行くのでした。

2010年4月19日月曜日

御衣黄桜*見頃です

<追加の写真が下段にあります。>



   
 
      
 転害門東側 鼓阪(つざか)小学校校門前の両側にあります。
御衣黄(ぎょいこう)桜の花の色は、緑から黄そしてピンクと変化し
ピンク色に変化した後にポトリと花は落ちます。
咲き始めは目立たない感じですが、花の終わりになってとても美しく咲き誇ります。

1番目の写真が校門に向かって右(正倉院)側の木。
2番目と3番目の写真が向かって左(転害門)側の木です。

こちらの場所は奈良倶楽部から徒歩10分くらい。
朝のお散歩の折にでも、ちょっと寄り道してみて下さい。

さて、ちょうどこの辺りには「奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)」の木が10本ほどあります。
まだ固い蕾でしたが、その話題はまた明日・・・。

追記>>

昨年の写真ですが、御衣黄桜の花の色が変化した様子を**
 
黄色から最後はピンク色になります。(2009年4月22日撮影)

2010年4月18日日曜日

香雪美術館「堀 文子展」とおいしい神戸*

つい先日に鑑賞した「三岸節子展」の余韻がまだ残っているのですが
70代80代90代になっても益々輝きを増し、パワフルな作品を描き続けてらっしゃるという点で
共通するものがあるのではと、神戸御影にある「香雪美術館」まで出かけてきました。

  
神戸の御影というところは初めて訪れる土地ですが、何と美しい街なんでしょう!

堀文子さんといえば、20年ほど前に買った『こどものとも』復刻版の中の2冊の絵本に
挿絵を描いておられて、この時はまだ、堀文子という画家を知らなかったのだけれど
美しく叙情的に描かれた絵が印象に残っていました。
  
その後、ほとんどその作品を目にしたことはなかったのですが
数年前に買った本の挿絵で、また再会。随分と作風が違うなぁと驚いた記憶があります。
  
そんなことで、一度この画家の特別展を観てみたいとずっと思ってました。

三岸さんもそうでしたが、堀さんも、何と哲学的な方なんでしょう。
お二人とも「花の画家」と形容されるように、色彩豊かな美しい花を描かれていますが
実際は、そんな美しいだけの画家ではなく、とても厳しく強いものを感じました。
買い求めたカードや画集は綺麗なものですが。↓
 
香雪美術館は東洋古美術を中心とした私立美術館という性格上
刀剣武具、仏教美術、茶道具などを展示しやすいような造りになっていて
堀さんの絵画を展示するにはちょっとどうかな・・と思いましたが
作品自体はどれもこれも素晴らしくて、こうして一堂に観て、その作品世界に感動してしまいました。
91歳というご高齢ですが今だ現役でご活躍されている方からは、やはり色々学ぶべき人生訓がありますね。
(一番下に、作品の横に書かれていたもので、夫がメモしておいて、と言った言葉を備忘録として記しておきます。

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その後、三宮へ出て、軽くワインとチーズでもということに。
友人お奨めのナチュラルチーズ専門店「フロマジュリーミュウ」に連れて行ってもらう。
この日は、まだ夜遅くまで遊ぶ気でいたのでテイクアウトはお預けです。
小洒落たお店で奈良にはない雰囲気が、ちょっと羨ましい感じでした。
  

夜は、水道筋の中華料理「天天」へ。これまた美味しくて安くていいお店。
  
この5日間で、まさかの3度も県外遠征をしてしまったけれど
ずっと奈良に閉じこもっていたので、たまには外の空気も吸わなきゃね。

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「堀 文子展」は5/5まで。会期中休館日なし。

<<備忘録>>

私は、人生の折り返し地点は50歳。そこからは、残る時間を人にゆずらず
自分の決めた目的に向かって進むしかないと思いました。
50歳ならまだ、まったく別の専門家になれるくらいの体力と判断力もあります。
ですから50歳からあとは、迷ったり、あたりに気を散らすことなどもう許されないと考え、
50歳からあとの新しい暮らしに踏み切りました。都市生活を捨て自然の中で暮らし始めました。