2010年4月20日火曜日

「奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)」はまだ蕾です*


(2009年4月22日撮影 知足院のナラノヤエザクラ)

毎年この時期に書いているのですが、奈良県の県花でもある「奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)」
この名前は「奈良に咲く八重桜」という意味ではなくて
こういう「ひとつの品種」を指して言います。
百人一首にも詠まれた
『いにしえの 奈良の都の 八重桜 けふここのへに 匂いぬるかな』(伊勢大輔)
の八重桜で有名ですね。

奈良倶楽部のすぐご近所、知足院の裏庭には国の天然記念物に指定された「ナラノヤエザクラ」があります。
東大寺塔頭の知足院の裏藪の中で ひっそりと咲いていた桜が
大正11年、知足院を訪れた植物学者の三好学博士によって古歌や史実などに出てくる桜と同種であると発見され
翌年3月「知足院奈良八重桜」として国の天然記念物に指定されました。


この知足院の「ナラノヤエザクラ」から接ぎ木をされた「ナラノヤエザクラ」が
転害門の東側、鼓阪幼稚園の傍にあります。
(県庁横登大路駐車場・奈良公園会館奥・奈良国立博物館・奈良女子大学・平城宮跡などにもあるそうです。)

昨日の様子ではまだ固い蕾でした。
 

知足院のナラノヤエザクラもきっと固い蕾だとは思うのですが
お散歩の帰り、ついでに寄ってみました。

  
ここで、偶然この場にいらっしゃった知足院の奥様から色々お話をうかがうことができました。

昨年撮影したトップの写真の木(上の写真の左と中)もそうなのですが
これは原木から接ぎ木したナラノヤエザクラだそうで
原木の木は、残念ながら昨年、風雨によって倒木したそうです。
ただ、親木が倒れる時には子供の木がちゃんと横から生えてくるようになっているらしく
原木の横に幼木がちゃんと出てきているということでした。(写真右のフェンスに囲まれた中)

また、この接ぎ木のてっぺんに「今朝一つだけ花びらがほころびかけのを見つけた」と
奥様は嬉しそうにおっしゃってました。
「どこですか?」とお尋ねしても、肉眼では見えないそうで
きっと毎朝、今日か今日かと楽しみに花の咲くのを見守ってらっしゃるのでしょうね。
「この様子でしたら来週くらいが見頃でしょうか?」とお聞きしましたが
「この桜は本当に繊細でね。また明日から雨が降るでしょう。だからまだわかりませんよ。」
ということでした。

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ところで転害門のナラノヤエザクラのところには1本だけ
もうすぐ咲きそうな木があります。この八重桜は何という種類なのかしら??


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<<おまけの画像>>
近頃、往復10分以上は歩きたがらない老犬グーちゃん。
知足院への上り坂では、途中何度もエンストを起こして前足で踏ん張ってストップをかけます。

   
若い頃はどんな坂道でもへっちゃらでグイグイと私を引っ張ってくれたのにね。
でも帰りは「やれやれ、もう帰れる」とばかりに一目散で下って行くのでした。