昨日の「転害会」に合わせて、東大寺・勧進所の「八幡殿」と「阿弥陀堂」で
「僧形八幡神坐像」(国宝)と「五刧思惟阿弥陀如来坐像」(重文)の特別開扉が行われていました。
「僧形八幡神坐像」は、元は手向山八幡宮のご神体であったもの。
1180年の平氏の焼き討ちで手向山八幡宮が炎上した時に、ご神体も焼失したのですが
重源上人によって再建される際に、ご神体は快慶によって新造されました。
受付でいただいたパンフに写真が載っています。
鎌倉時代の作ですが、大変美しい色彩が鮮やかに残っています。
蓮華座や袈裟の美しい模様、背後の金色に輝く円形の頭光、写実的すぎるくらいの表情。
神々しいばかりのご神体ですが、僧形だからでしょうか?
明治維新後の神仏分離・廃仏毀釈で東大寺へ移されたのだそうです。
では、勧進所の中に入ってみましょう。
中に入って振り返って見ると大仏殿と若草山が。
正面奥の建物が「八幡殿」。こちらでは快慶作「僧形八幡神坐像」が
右手前の「阿弥陀堂」ではアフロヘアーの仏さま「五刧思惟阿弥陀如来坐像」が特別公開されています。
「八幡殿」となりに校倉があります。
阿弥陀堂に安置されている「五刧思惟阿弥陀如来坐像」は
阿弥陀如来の異形の一つで、アフロヘアといわれるような頭髪になったのは
四十八の大願を成就するために永い間、剃髪することもなく座禅・思惟していたからだそう。
奈良倶楽部の2軒東隣の五劫院にも「五刧思惟阿弥陀如来坐像」がいらっしゃいますが
全国でも同じ像は少なくて、他には、奈良十輪院、京都大蓮寺、和歌山道成寺、
京都西向寺、東京浄真寺、そして同じ勧進所の中に十数cmの小さい像が見られるだけです。
五劫院の仏様もこの日に特別公開されています。
こちらは手を袖の中に隠した姿ですが、東大寺勧進所の方は合掌されていました。
ぼわっと頭が膨れているので、アフロヘアというよりは
パーマをかけたお母さんというイメージを私は持ってしまいます。
勧進所から出ますと「指図堂」が開いていましたのでお参りさせていただきました。
こちらは、大仏殿と勧進所の間にある「指図堂」。
ご本尊としてお祀りされていたのは、法然上人画像でした。