2007年9月20日木曜日
『美麗―院政期の絵画―』 奈良国立博物館
奈良国立博物館で開催中の展覧会『美麗―院政期の絵画―』
会期があと10日というところでのお知らせですが、何はともあれ行って見て下さい!
とにかく素晴らしい展覧会でした。
会場に入って一点一点鑑賞しながら、最初に私がさがしてしまうところが <国宝>という二文字。
私、決してブランド好きではないのですが、なぜだか<国宝><重文>ブランドにはちょっと弱いのです^^
総点数は展示換え作品も含めて125点。そのうち国宝48点、重要文化財58点!という圧倒的な数の多さに驚きながらも、素晴らしい展示品の数々に大満足、堪能の2時間でした。
・・・・・平安時代後期から鎌倉時代初期、上皇・法皇が政治の実権を握っていた院政期の時代に描かれた絵画は仏教思想を基調としつつ院の美意識とも関わり、日本の絵画史上の中で最も美しい作品群が残された時期でもあります。
展覧会では、この時期の優れた仏画や絵巻物、白描図像などの絵画を中心に、絵画的な表現を含む書跡、彫刻、工芸なども加えて、豊かな内容に満たされた華麗な美の世界を見ようとしています。・・・・(パンフより抜粋)
とても大きい構図の力強い仏画もあるのですが、何より印象に残っているのは、美しいということ。
色彩がとても豊かで、そして、線描の美しさや描写が細やかで精緻であることに目が引かれました。
仏さまの装身具など細やかな描写で見る者の心を捕らえてしまうくらいのものもあれば、絵巻物の中で「病草紙」や「餓鬼草紙」「地獄草紙」などのように、社会の暗部をかなりリアルに描いた作品も。
絵巻物では「伴大納言絵巻」や「信貴山縁起絵巻」などの有名どころもあって、
私のように専門的な知識がなくても十分楽しめる展覧会でした。
お経を書いた料紙に金銀砂子を散りばめたり、古今和歌集の和様の書の流麗さもさることながら、透かし模様が入った装飾の細やかさなど、平安人の美意識の高さに感嘆・脱帽です。
個人的には、少ししか出品されていませんが、工芸品(特に「沢千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃」国宝)に今も心を奪われたままです。
会期が残り僅かしかなく、もう一度ゆっくり見る機会を取れるかどうかはわかりませんが、とにかく美術工芸に興味がある方には是非行って見てほしいお宝満載の展覧会でした。
それにしてもこんな機会 めったにないものばかり・・・もうちょっと長い会期であればいいのにと思わずにはいられませんでした。
◇『美麗―院政期の絵画―』
奈良国立博物館 http://www.narahaku.go.jp/exhib/2007toku/insei/insei-1.htm
9/1~9/30(休館日9/25)
9:30~17:00(金曜日は19:00まで)
観覧料金:大人1000円、高・大生700円、中学生以下無料
(9/22にご夫婦で観覧される方は一般料金1000円の半額になります。)
公開講座:9/29「院政期の料紙装飾と文字の荘厳」13:30開演、先着200名。
小さなホテル奈良倶楽部