2010年2月4日木曜日

「お水取り」期間中の奈良倶楽部と、よくあるご質問*

 
立春**
豆雛さまを飾ったら気分はもう春に一直線。

春といえば、そう!二月堂のお水取りもまもなくですね。
この時期、奈良倶楽部ではお水取り期間中のお問い合わせが多く寄せられます。

3/1から3/14までの修二会本行中のご宿泊に関しては
土曜日(3/6・3/13)と3/12は満室になっていますが、他の日はまだ余裕がございます。
土曜日以外の日の方が、お松明や深夜の行をごゆっくりとご覧いただけますのでお奨めです。
(でも満室日でもキャンセル待ちを承っていますのでご遠慮なくお申し込みくださいませ。)

また、奈良倶楽部は二月堂まで歩いて15分という距離にあるため
練行衆上堂のお松明見学だけではなく
深夜の行を聴聞されるお客さまも年々多くお泊まりいただき
14日間の修二会期間中、日にちを変え毎年お越しいただいたり
お客様たち皆さん大変熱心にそしてパワフルに修二会を体感されて感動してくださっています。

お客さまのそんな感動に間近で触れ、奈良の人間として大変な誇りと喜びを感じる2週間の日々。
修二会期間中できるだけ快適に過ごしていただけるサポートを心がけています。

 

**お水取り期間中の奈良倶楽部では**

◇深夜の行にお出かけのお客さまのために門限フリーにしています。
(ただし、23:00までにチェックインをお済ませ下さい。)

◇お部屋に電気ポットやお茶のご用意の他に
この期間だけ、身体がほっと暖まる「生姜湯」をサービス。

◇ふだんの朝食の時間は午前8:00頃ですが、
3/12、13,14日にご宿泊の方の朝食は8:00~8:30と少しごゆっくりめにも対応致します。
素泊まりでもOKです。

◇お松明見学で夕食をどうしようか思案中のお客様には「おにぎり弁当」(1050円)も承っています。
昨年、お客様方から大変好評だったので 今年もお水取り期間中のみ
「だいどころ飛鳥」さんから届けていただきます。どうぞご利用下さい。
お弁当の詳細はこちらをご覧下さい。

◇修二会関係の写真集や解説書などたくさん揃えております。
期間中の行法のタイムスケジュール表などもご用意しております。

お松明だけではない修二会の荘厳な魅力を是非お泊まりしてごゆっくり堪能して下さいませ。


**お水取りに関してお客様からよくあるご質問**

「二月堂修二会(お水取り)」に初めて来られる方も非常に多く
どこでどういう風に見るのがいいのか、毎日しているのか、時間はどれくらいなのか、
というようなご質問が多く、「お水取りの行事=お松明のみ」と思ってらっしゃる方も多いです。
一応、お松明見学に関して 簡単にまとめてみました。

◇お松明は、本来は二月堂に上堂する練行衆の道明かりとして灯されたもので、
12日の籠松明が有名ですが、修二会期間中の3月1日から3月14日まで毎日あげられています。

◇12日と14日以外は午後7時から始まります。
(通常20分くらいです。)

◇11名の練行衆が一人一人、二月堂に上堂するための道明かりですが、
「処世界」という役の方はすでに準備のため上堂しているので必要なく、
通常10本のお松明があがります。

※ただ昨年から(多分今年も)東大寺の方針として
・お松明が舞台の上を走るのは7本まで。後の3本は走ってもどちらでもいい。
・また舞台の上を勢いよく転がしながら走ることは控える。
ということが決まったようです。

お松明が10本上がっても、7本しか舞台には行かないというのは元々本来の姿らしいです。
(練行衆が二月堂へ上堂される時は下座の僧から上堂され、最後に上の位の四職の僧が上堂されます。
四職の練行衆が北出仕口から堂内に入られる時だけお松明を担いだ童子さんは膝まづいて
「お見送り」されるような形でしばらく待たれ、そのまま舞台にはあがらないというのが本来の姿。)
年々派手で勇壮豪快な動きになって大歓声、拍手喝さいを浴びるお松明に、
修二会の行がイベント化されることを危惧して、初心に戻ってみようということのようです。

◇12日だけは、全ての練行衆が上堂するので11本のお松明があがります。
時間も12日は午後7時30分から45分くらいかかります。

◇12日の籠松明は重いのでかなりゆっくりのペースです。
舞台の上を流れるように松明の火の粉を転がして走るというような
ダイナミックさは普段のお松明の方が勢いがあるのではないか・・とも思います。

◇12日の籠松明は、長さ6mほどの根付きの竹の先端に
杉の葉やヘギ・杉の薄板を籠目状に仕上げ、直径1mほどの大きさの松明に仕上げられます。

◇14日のお松明は午後6時30分より10分くらいです。
これは、別名「尻焦がし」「尻つけ松明」といって、
前を行く練行衆のお尻に火がつくのではないかと思われるほど間をつめてあがっていくからです。
そしてこの日は10本のお松明が二月堂の舞台に出揃うのを待って、
10本全部一緒に火の粉をふりおとされるのです。

◇その他に、雨の日でも行われていますか?というお尋ねも多いです。
「はい、勿論です!」
ビニール傘に火の粉が飛んで穴が開くかもしれませんが・・・。

◇また何時ごろから行っておいた方がいいのでしょうか?という
ご質問も多いのですが・・・
これは曜日や天候にも随分左右されますので一概には言えません。
火の粉をかぶるくらいに前のほうでご覧になりたい場合は
かなり早い時間に行かれた方がいいと思います。

◇ただ、12日だけはお松明の見学が鐘楼の方からの一方通行になります。

◇舞台の上からお松明を見るというのもお奨めです。
この時、何時頃に行けばいいのかということですが

◇舞台の上からお松明を見る場合の参考メモ
18:00までに上に上がらないと舞台には入ることができません。
見学する場所が狭いので混み合う日はもっと早くに入場制限があるかもしれませんが。
写真撮影のために早くから場所取りをされている方も多いので
18:00ぎりぎりですと人垣二重三重の後ろになりますが、ご安心を。
お松明4~5本くらい出たあとは、最前列の人達もまた違う場所で撮ろうと
人垣が崩れますので、最後には前の方で見学できると思います。
目安として17:00前で最前列が取れるか取れないかというラインでした。
昨年は17:30着で2列目でした。ご参考までに・・・。

◇3月といえども完全防寒着でお越し下さい!
お松明見学でも1時間は二月堂の下で立って待っていなければいけません。
(土曜日などはもっと前から待っていた方がいいようです。)
奈良の夕刻は3月といえども大変冷え込みます。
また深夜の行を聴聞するために二月堂内に籠られる方も屋内だからといって侮ってはいけません。
防寒対策は念には念を入れるくらいでちょうどのようです。

**昨年、一昨年と「奈良倶楽部通信」ではお水取りについての記事を多くアップしています**
参考になるような記事を以下に添付致しますのでよかったらご覧下さい。
また、2月中に行われる修二会の前行についてはもっと下段に記しています。

修二会の豆知識など(2008,2/18記)
お松明を作る童子さんの話(2008,2/26記)・・本行中の二月堂の朝の風景です。
食堂作法について(2008,3/3記)・・お昼頃の二月堂での様子です。
★舞台の上から見たお松明(2008年2009年)・・迫力ある火の粉の舞をご覧下さい。
★「お声明」を聴く(2008,3/4 2008,3/12)・・修二会のお声明を聴くのが好きなのです。
「上七日」と「下七日」(2008,3/8)
「籠松明」と「達陀松明」(2008,3/9)・・12日に使う籠松明とダッタン松明の写真あり。
★修二会 満行の日の「達陀(だったん)」の様子(2008年2009年 の3/14)
「良弁杉伝説と尻焦がし松明」・・3/14のお松明は10本全部舞台の上に揃います。
牛玉札(ごおうふだ)の写真
「達陀帽戴かせ」について(2008,3/15記)・・修二会が終わった翌日の様子です。

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こうして列挙してみると、まだまだ見ていない行法も多いです。
修二会期間中は仕事も忙しいので、そう焦らずに
今年も時間のある時に出かけてみたいと思っています。

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余談*昨晩、二月堂にて「修二会 追っかけ’S」の相方しをんさん
「一年って早いね」「もうお水取りの季節やね」
「今年は忙しいし去年ほど熱心に行けるかどうかわからへんね」と話していたのでしたが。
うふふ。こんな記事を書いていると、その時の情景が浮かんできて
「あかん、血が騒ぐ〜」(笑)

では、2月に行われる「お水取り」の関連行事を下の日記でご案内いたします。
   ↓ ↓ ↓