2008年3月15日土曜日

修二会こぼれ話⑱~これが達陀(だったん)!~

3月14日++

修二会最終日。

今日こそ、今年こそ達陀を見たい!体感したい!
19年間お水取りの行をお客さまに説明し続けていながらも
私自身は一度も達陀の妙法を見たことがないのです。

知らないのに説明しているなんてヘンなんですが、
いってこられたお客さまから聞いたお話を伝え聞いてお奨めしているだけで、
行けないのを忙しさを言い訳にしていてはダメだなと反省。

今日を逃すとまた来年になる、そう思ってさっさと仕事を片付けて
9:30pm頃に二月堂へ。
すでに西の局は入りきれない人々で外まで溢れているような状態でした。
南の局はどうだろう・・・とそちらへ回って、かなり前の方に場所を確保。
「走りの行」が始まる前には、こちらもすごい人になっていましたが・・。

大勢の人の中に埋もれながらでしたが、
自分の心がはっきりと二月堂の真ん中の祈りの場に向かっていたので
周りが気にならないくらい静かな気持ちで
練行衆の声明と一緒になって祈りを捧げることができました。
私がこの地でいることの意味、ずうっと護って下さってることへの感謝。
いつまでも清浄なる場を保ち続けていこうという誓い・・・。

そうしているうちに「達陀の妙法」が始まりました。
大きな大きなダッタン松明、本当に堂内で振りかざされるのですね。
松明を持った火天と散杖・酒水器を持った水天が向き合って行う加持の動きが、躍り上がっているようで見ごたえがあると今まで聞いていて、
そういう見せ場的なところを今までお客さまに伝えていたのですが・・・
ああ、何と!そんな見る興行的なものではなかったのです。

ダイナミックで緊張感のあるとても厳かなもの・・・。
うまく言葉で表現できませんが、内陣を一周してはまた正面で松明を
振りかざす火天と水天の加持が10回ほど繰返されるうちに
内陣は炎に包まれていき、堂内の天井まで届く松明の炎の強力な呪力で清められた「場」から発せられる何か特別なものを身体中で感じるという経験。

心が震える・・・。
ありがたくて涙がでてきて・・・。

「だったん」・・・本当に素晴らしい体験でした。

最後の声明は囁くような声明。11人の小さな声。
調和の中の一人一人の声が囁くような小さな声でも
心の中にまだ残っている・・・聴こえてきている・・・。

局から舞台の正面に出てきた頃、ちょうど練行衆が下堂の時でした。


参考までに++


達陀の様子と達陀松明の写真です。(「ならら」2004年2月号より)

達陀松明の先には「ケズリカケ」という
木の枝を薄く削いで花びらのように反り返らせたものを
4,50個差して美しく燃え上がらせる工夫がしてあるのです。
「ケズリカケ」の写真はこの方のブログに載ってました。
そして、これ。
ケズリカケの燃えカス、いただいて帰りました♪

12日から14日まで二月堂上の休憩所ではおうどんや稲荷寿司などの販売もあり。
いずれも行法終了まで営業されています。
 

小さなホテル奈良倶楽部