2008年2月26日火曜日

修二会こぼれ話⑧~お松明を作る童子さん達の苦労話~



写真は昨年の3/1に撮影したものですが・・・

3/1から3/14まで毎晩上がるお松明。
童子さん達は、毎日朝から自分の担ぐ松明を丹念に作られます。

午前中に二月堂へ行けばこういう風景も見られますよ。

また12日に上がる籠松明は、普段の松明よりもかなり大きいので、
3/1から毎日少しずつ部品を作り、
3/8に自分の松明は自分で組み立てられるそうです。

籠松明は普段より20kgも重く(出来上がり60~70kg)、
1m以上長い(7m)大きさなのですが、
1年に1本しか作らないので、2~3年で作り方を覚えられるものではなく
ベテランの童子さんでも緊張して作られると聞きました。

童子さんの苦労話として聞いた話ですが・・・。

松明を担いで、登廊(のぼりろう 二月堂北側の階段のこと)を上がる間にも
燃えて短くなるので、途中で少しずつ持つ位置を変えないと熱くなること、

これを一人で担いで上がるのはかなりきついので、
北の回廊に着いた時はほっとすること、

松明を突き出して振りかざす時には随分軽くなっていても、
登廊・北の回廊・南の回廊と、松明が3本揃うように
気をつけていること・・・・等など。

お松明のことを「練行衆が二月堂に上堂される時の足元を照らす灯り」
と言ってしまえばそうですが・・・、

お松明を欄干から大きく突き出して、一気に舞台を駆け走る童子さん☆

お松明は、「火の行」修二会を象徴する
「お松明の火の粉が舞い立ち流れ落ちる壮麗さ」
を陰で支える童子さん達の晴れ舞台でもあるのですね。

ところで、よく二月堂が火事にならないかと心配するほどの
燃え上がる炎ですが、ここにも裏方さん達の見えない苦労話が・・。
(これは昨年の朝日新聞に載っていたものです)

火の粉が木の上に積もり燻ぶるのを防ぐために、
箒を持った裏方さんが、火の粉が落ちるたびに掃いているそうです。

特に大量の火の粉が落ちる舞台下では、
ヘルメットをかぶって四方に目を光らせているとか。

籠松明が登場する12日は登廊の屋根の内側に
直前にホースで水をかけておくそうです。

1250年以上も続く伝統を陰で支える人達がいらっしゃる。
こうしてまた違った目で見るのも面白いかもしれませんね。

小さなホテル奈良倶楽部