2008年2月18日月曜日

修二会こぼれ話②~「別火」と呼ばれる前行について~

東大寺二月堂修二会の期間は3/1から3/14までと思われている方も多いと思います。
実は、3/1~3/14の期間は修二会本行で、その前に「前行」という期間があるのです。


一応ここでちょっと修二会豆知識の予習・復習です。

◇正しくは「十一面悔過」といい東大寺二月堂で毎年3/1~3/14に行われています。

◇「十一面観世音菩薩」を本尊とし国家の安泰と豊楽を祈り
人々に代わって自他の罪とけがれを懺悔するという法要です。

◇752年に始まり、今まで一度も絶えることなく続けられ今年1257回目を数えます。

◇752年は大仏開眼法要が行われた年で、大仏さまと同じ歴史を歩んできたことになります。

◇752年から今日に至るまで、
二月堂は東大寺が兵火に巻き込まれ時も罹災を免れ、
また江戸時代に二月堂そのものが火災にあった時も三月堂を使って勤め、
一度も途絶えることなく続いてきたことによって「不退の行法」ともいわれています。

◇この法会は現在は3月に行われていますが、もともと旧暦の2月1日から行われており、
2月に修する法会という意味で「修二会」と呼ばれ、
「修二会」が行われるお堂ということで「二月堂」と呼ばれるようになりました。

◇この行のなかで行われる代表的なものに「お水取り」と「お松明」があります。
今では「修二会」のことを「お水取り」や「お松明」と呼ぶようになっています。

◇そのため、「修二会」といえば、「お水取り」・「お松明」だけのように思われがちですが、
一日を日中から夜明けまで六つの時に分け、それぞれの時に様々な作法や行が行われています。

◇二月堂で行われる本行の期間は3/1~3/14ですが、
その前月の2/20より「別火」と呼ばれる前行が始まります。





◇「別火」とは、本行へ向けての準備期間。
2/20~2/26までを「試別火(ころべっか)」
2/27~2/29までを「総別火(そうべっか)」と区別し、
11人の「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれる僧侶(練行僧)たちが本行に先立ち、
別火坊(べっかぼう)という坊(戒壇院内にある)に篭り行法中の寝起きを共にして、
供え物や身に付ける物の準備から、本行へ向けて精進潔斎する期間です。

※註:上記の日程は、今年2008年閏年のものです。
   通年は2/20~2/25が試別火、2/26~2/28が総別火となります。


◇試別火では、本行での声明の稽古、須弥壇を飾る椿の造花作り、
沢山の灯明の灯心作り、練行衆が着る紙衣の準備、
二月堂内で履く「差縣(さしかけ)」の修理など、
昔ながらの方法で人々の手によって準備が施されます。

◇総別火の期間になると、練行衆の出で立ちも紙衣になり、
糊たき、法螺貝の稽古など、
より厳しい制約の中で修行が進められます。

◇「別火」とは世間と火を別にするということを意味しますが、
別火坊では修二会の準備のために新たに起こした火を使って生活をします。

◇別火坊入りした練行衆は、世間の火にあたったり、
別火坊以外の火を使った食事を取ったりすることが厳しく禁じられます。

◇まだ試別火期間中は、自坊に洗い物を持って帰ったり、
境内であれば所用をすますために日中であれば外出することもできますが、

◇総別火になると行としての規制がさらに厳しくなり、
いでたちも紙衣(かみこ)という紙の衣となり、特定の場所以外では私語も一切禁止となり、
そろっての食事等以外は湯茶も自由には飲めず、所作、作法も厳しくなり、
部屋の外に一つある火打ち石で点火した火鉢以外は一切火の気がなくなってしまいます。
勿論外出などは論外で、部屋から出るときは屋内でさえ白鼻緒のわら草履をはき、
各自一枚所持する「てしま(ござの一種)」の上以外は他の場所に座ることさえできなくなってしまいます。

以上、東大寺発行の「二月堂修二会 お水取り」や
東大寺HPを参考に少しまとめてみました。


それにしても厳しい修業ですね!
聞いているだけでも鬼気迫るものを感じてしまいます。

前行から本行満行までのほぼ一ヶ月、とても長い期間を厳しく律して
祈りと修業のために精進されるのですね。



前行、本行中に行われる行法については
またこのシリーズでお伝えしていければと思っています。

小さなホテル奈良倶楽部