2010年2月4日木曜日

二月堂修二会 前行について

  

東大寺二月堂修二会の期間は3/1から3/14までと思われている方も多いと思います。
実は、3/1~3/14の期間は修二会本行で
その前の2/20~2/末の期間は「別火」という前行の期間になります。

「別火」とは、本行へ向けての準備期間のことで
2/20~2/25までを「試別火(ころべっか)」
2/26~2/28までを「総別火(そうべっか)」と区別し、
11人の「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれる僧侶(練行僧)たちが本行に先立ち、
別火坊(べっかぼう)という坊(戒壇院内にある)に篭り行法中の寝起きを共にして、
供え物や身に付ける物の準備から、本行へ向けて精進潔斎する期間です。

2月に行われる「お水取りの関連行事」や
「別火」期間中に追っかけレポした記事などを以下に添付致します。
よかったら参考にして下さい。

★2/11「竹送り」(2008年の記事
★2/18「油量り」(2009年の記事
★2/20「別火入り」(2009年の記事
★2/21と2/25は「社参」13:00~ ( 2008年の記事
・・練行衆が行中の無事を祈願して、創建に関係する諸堂を参拝して回られるのです。
★2/21「注連縄張り」(2008年の記事)「注連撒き」(2009年の記事)
★2/28 14:30~「練行衆 別火坊出発」(2009年の記事
★2/28 18:00~「大中臣祓い」(2009年の記事
★3/1午前2:00「一徳火」(2009年の記事

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「別火」について

◇試別火では、本行での声明の稽古、須弥壇を飾る椿の造花作り、
沢山の灯明の灯心作り、練行衆が着る紙衣の準備、 二月堂内で履く「差縣(さしかけ)」の修理など、 昔ながらの方法で人々の手によって準備が施されます。

◇総別火の期間になると、練行衆の出で立ちも紙衣になり、 糊たき、法螺貝の稽古など、 より厳しい制約の中で修行が進められます。

◇「別火」とは世間と火を別にするということを意味しますが、 別火坊では修二会の準備のために新たに起こした火を使って生活をします。

◇別火坊入りした練行衆は、世間の火にあたったり、 別火坊以外の火を使った食事を取ったりすることが厳しく禁じられます。

◇まだ試別火期間中は、自坊に洗い物を持って帰ったり、 境内であれば所用をすますために日中であれば外出することもできますが、

◇総別火になると行としての規制がさらに厳しくなり、 いでたちも紙衣(かみこ)という紙の衣となり、特定の場所以外では私語も一切禁止となり、 そろっての食事等以外は湯茶も自由には飲めず、所作、作法も厳しくなり、 部屋の外に一つある火打ち石で点火した火鉢以外は一切火の気がなくなってしまいます。 勿論外出などは論外で、部屋から出るときは屋内でさえ白鼻緒のわら草履をはき、 各自一枚所持する「てしま(ござの一種)」の上以外は他の場所に座ることさえできなくなってしまいます。