2008年3月13日木曜日

修二会こぼれ話⑰~良弁杉伝説と「尻焦がし松明」~

二月堂の下、若狭井との間に良弁杉と言われるりっぱな杉の木が
一本たっています。


お松明を見学に行って時々「あの杉が邪魔で見えな~い」という声が
聞こえてきます。ああ~、そんなこと・・・!

良弁杉はその名も東大寺開山良弁(ろうべん)僧正にちなんでつけられた
伝説の杉なのであります。
よく知られているのは、良弁僧正が赤ん坊の時に鷲にさらわれて
この梢に落とされたという伝説。

東大寺二月堂本尊の十一面観音は秘仏で
東大寺関係者でも見たことが無いそうですが、
良弁杉はこの十一面観音のちょうど真正面にたっているというのが、
ちょっと興味深いです。
天の神がこの巨木に降臨し神木として崇められているのでしょうね。

舞台正面から見た良弁杉(3/3撮影)

今たっている良弁杉が二代目だということを、
先日写真を送って下さったお客さまS様より聞いて初めて知りました。

30年来修二会に通われているS様より、
またまた貴重な写真を頂戴しました。
良弁杉がまだ舞台の欄干よりも低くて、
14日の「尻焦がし松明」が10本勢ぞろいしているところの写真です。
(1994年撮影)



良弁杉、今ではもっと高く聳え立って
こんなに綺麗にお松明10本が揃っては見えないと思います。

※14日最終日のお松明は18:30より10分くらい。
10本全部舞台の上に揃ってから火の粉が振り落とされます。壮観!

小さなホテル奈良倶楽部