2009年11月29日日曜日

12月のお出かけ情報



それにしても早いです。もう12月、師走です。
昨日までの喧騒が嘘のように、月が変わるだけで奈良にはまた静かな時間が訪れます。
12月の初め。この季節の奈良への旅は、実は案外お奨めなのです。
秋の名残の風情も充分味わえるし、静かに流れる時間も楽しめる・・・。
きっと心に残る素敵な旅になるのではないでしょうか。

では、12月に行われる伝統行事や特別公開やイベント情報などを。
奈良への旅の参考にどうぞ・・・☆

※この記事を書いていて各寺社のHPを参照していましたらとってもビッグなニュースを発見!
東大寺では来年2010年に公慶上人がまつられている公慶堂を年2回開扉することになったのですね!!(4/12と10/5です)

<<季節の伝統行事>>

◇12/1 宝山寺「聖天厄除大根炊き」

◇12/6 10:00~16:00 信貴山千手院「大根だき」
   師走の信貴山恒例行事。奉納料1000円(大根・護摩木付き)
   問合せ:信貴山千手院(tel 0745-72-4481)

◇12/8 10:00~ 法隆寺 金堂・大講堂・夢殿「お身拭い」

◇12/8 石上神宮「お火焚祭」

◇12/9 矢田寺「仏名会」

◇12/14 二月堂「仏名会」

◇12/15 9:00~ 唐招提寺「お身拭い」
 
◇12/15~12/18 春日若宮「おん祭り」

   おん祭りについてのブログ内記事はこちら。→
   春日大社のおん祭りについてのサイトはこちら。→

   16,17日とも奈良倶楽部では深夜のお出かけに対応しています!    
   是非ご宿泊して「おん祭り」の神秘な魅力に触れてみて下さいね。


◇12/16 10:00~11:00 宝山寺「大鳥居注連縄奉納」

◇12/18 岡寺「納め観音」

◇12/22 10:00~14:00 正暦寺「冬至祭」
   カボチャに多数の塗り箸を挿し中風封じを祈願する。
   当日かぼちゃづくしのお弁当(1000円)もいただける。
   数に限りがあるので予約がベター(tel:0742-62-9569)
   ※この日限り、宝物殿「瑠璃殿」と秘仏が公開されます。

◇12/29 13:00~ 薬師寺「お身拭い」
   午前中にお正月用のお餅をつき、その時に使用したお湯で
   金堂内の薬師如来・日光月光両菩薩像を僧侶が拭き清める。

◇12/31 15:00~ 春日大社「年越大祓式」

◇12/31 19:00〜 1/1 5:00(1/1~1/3は17:00~20:00) 長谷寺「観音万燈会」

◇12/31 奈良県内のお寺で撞ける「除夜の鐘」情報はこちら→

<<秘仏・秘宝 特別開扉>>


◇12/16 9:30~ 東大寺「特別開扉」
   東大寺開山良弁僧正の忌日にちなみ
   一日限りの特別開扉が行われます。

   開山堂では・・・国宝 良弁僧正坐像(拝観無料)
   法華堂では・・・国宝 執金剛神立像(入堂料500円)
   俊乗堂では・・・国宝 重源上人坐像(入堂料500円)

◇12/22 10:00~16:00 正暦寺「冬至祭特別開扉」
   宝物殿「瑠璃殿」と秘仏の公開

◇~12/31 9:30~16:00 長谷寺「大観音特別拝観 」

◇12/31 室生寺「国宝五重塔特別開扉」
   五重塔内初層が創建以来初めて公開されます。
   諸堂夜間拝観と五重塔のライトアップも行われます。
   ※1/1~1/17 9:00~15:00 秘仏五智如来と両界曼荼羅が特別公開されます。(400円)
  
<<イベント情報>>


◇12/1~12/14 毎朝9:30~(約15分ほど) 「鹿寄せ」
   場所:奈良公園飛火野(春日大社参道南側)
   ホルンの音色でどこからともなく集まってくる鹿たち。
   奈良でしか見ることのできないのどかな光景を楽しみながら、
   朝の散歩はいかがでしょうか。
   郷土料理の茶粥のご用意もあります。奈良の朝をたっぷりお楽しみください。
   茶粥ふるまい:春日大社参道 (無料)

   ☆例年通り、2010年1/28~3/6の期間中も「鹿寄せ」は開催されます。

トップの画像は東大寺大仏殿東回廊近くの紅葉

2009年11月27日金曜日

紅葉狩り♪



きらきらと照葉が美しい紅葉日和な今日のお天気。
こんな日は少しでも時間を作って、紅葉狩りに行かなきゃ!

 ようこそいらっしゃいませ♪こちらの紅葉ただ今見頃でございま〜す♪

 え、僕たち邪魔ですか?ではこちらに避けましょう。

 どうぞ♪誰もいないところを撮ってくださいな。

春日大社近くの水谷茶屋あたりを歩いていたら鹿さんに話しかけられましたよ^^


こっちにも見事な紅葉があるよ♪
    ほらね! 

真っ赤がお好みでしたら、こちらも見逃せないですよ〜♪ 

・・・と、鹿さんが案内してくれた所は吉城川のほとり 
照葉の向こうに大仏殿が見えます。
 

若草山の方に目をやれば・・・山のふもとの裾模様♪

2009年11月25日水曜日

晩秋の紅葉便り〜奈良公園と依水園・吉城園

11月も終わりになって、もみじや楓の紅葉がより鮮やかに色づいてきましたね。
奈良県内には名だたる紅葉の名所がたくさんあるのですが
今の時期、私自身があまり遠出もできませんので
奈良倶楽部からぐるっとお散歩コースで回れる所の紅葉便りをお届けします++

その1:大仏池辺りのもみじ

 

 

大仏池といえば大きな銀杏の木があまりに有名ですが
この銀杏ももう散り際の美しさ。
今は池の北側に並んで立つ8本のもみじが美しい紅色に染まっています。

その2:東大寺東塔跡辺りの大銀杏ともみじ

こちらの銀杏は奈良公園の銀杏の中では一番のおくてでしょうか。
ちょうど今が一番見事に金色に輝く見頃のようです。
燃えるような黄色にしばらく見惚れていました。

 

 
東塔跡に立つ銀杏のまわりはもみじの名所でもあります。
ただ残念なことに今の時期に道路工事をしていて無粋なコーンが至る所に!
もう少し時期を考えてほしいと思うのですが・・・。
(それに春日園地との境界にあるフェンスも無粋ですよね。)

その3:依水園のもみじ

前園・後園という二つの異なる時代に作られた広大な回遊式庭園の中
イロハモミジやドウダンツツジの紅葉に、十月桜も咲いていて
東大寺南大門や若草山などを借景とした眺望とともに
今の季節、奈良公園の中でちょっとした別世界を楽しめるところではないでしょうか。

  

  
苔と紅葉          ドウダンツツジの紅葉          十月桜と紅葉

その4:吉城園のもみじ

吉城川を挟んで、依水園とはお隣同士。
苔の庭と紅葉・・・緑と紅の鮮やかな対比、そして離れ茶室の侘びた佇まいが美しい。


その5:浮見堂と紅葉

 

昨日、車でここを通った際に撮った「絵葉書的」ショットですが
それなりに美しい奈良らしい風景ではないでしょうか。

おまけの画像:落ち葉も素敵♪
  

::

依水園(いすいえん)と吉城園(よしきえん)についての詳細は
それぞれのサイトを参考にして下さい。→ ・依水園 ・吉城園

2009年11月23日月曜日

柘榴の行方

昨年の秋のこと。
我が家の裏庭に鈴なりに生った柘榴の果実
染め物に使っていただければ・・・とこの方にお裾分けしました。
そして奈良の柘榴で布が染められて、その布で素敵な袋が作られました。

 

今年も裏庭にはたくさんの柘榴がなっていたのですが
だんだん高い所の実を採るのも億劫になって、手の届く範囲のほんの少しの収穫に
あちらこちらにお裾分けも出来ず終いでした。
ちょうど同じ季節に、我が家の柘榴のエッセンスが詰った袋を送っていただき
巡り廻って季節の恵みを違った形でお裾分けしていただいたこと
思わぬサプライズに感激しています。ありがとうございました☆

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柘榴で染めたチョガッポ袋
左の黄色はミョウバンで、右の渋い緑色は鉄で媒染したものだそうです。

2009年11月18日水曜日

銀杏の絨毯

*3枚目の写真に追記追加あり*

写真教室を主宰するtsuguさんから
「大仏池の辺りで撮影する時に、飛鳥さんのお弁当をお願いするけど
近いから気晴らしに来ない?」という嬉しいお誘いメールあり。

撮影の様子も気になるけど、飛鳥さんの美味しいお弁当につられて二つ返事でお邪魔することに♪

一昨日に犬の散歩で来た時は誰もいなかったけれど、今日はすごい人。



大勢のカメラマンの注文にも優しく応じる(?)奈良の鹿たち。
では私も、今日は一眼レフでパチりと。↓

↑上の写真を少し補正しました。↓

(一眼レフカメラの元持ち主の父より補正の仕方を教えてもらったのです。)

こちらはコンパクトデジカメで撮影したもの↓


やっぱり慣れている方が写しやすいかな?
でもそんなことばかり言ってると、いつまでたっても上達しませんね。

 
あたり一面に敷き詰められた黄色の絨毯。
昨日降り続いた雨の水蒸気がたっぷり含まれた落ち葉を踏みしめ
秋の真っただ中にいることを楽しむひとときでした☆

2009年11月17日火曜日

奉納700年記念臨時公開『春日権現験記の世界』

先日、NHK「日曜美術館」で放映されたのは
ただ今、東京国立博物館にて開催中の「皇室の名宝」展に出品されている
絵巻『春日権現験記』についての特集でした。

テレビ画面に映し出された絵巻の中の絵は
どれもこれも繊細、精緻な描写で、躍動感を感じるところもあれば、そこはかとない淡さもあり
品のいい色合いや流暢な筆さばきにユーモア溢れる表現力と
これを描いた絵師の腕前の凄さを画面からも感じることができ
実際のものを観てみたい!と久しぶりに心動かされました。

できれば東京国立博物館まで出かけたいところなのですが
今はそれもできませんので
今日から、奈良春日大社で開催されています『春日権現験記の世界』展に
早速行ってまいりました。

絵巻『春日権現験記(かすがごんげんげんき)』は
鎌倉時代(1309年頃)の絵巻の名品であり
後世の美術作品にも大きな影響を与えた作品です。


時の左大臣 西園寺公衡(さいおんじきんひら)の発願により
宮廷絵所預の高階隆兼(たかしなたかかね)が描いた
、春日明神の霊験の数々。

今年は、この絵巻物が春日大社に奉納されてちょうど700年目にあたります。
鎌倉時代に描かれた原本は明治時代に皇室に献上され、現在は宮内庁で保存されていますが
春日大社には、江戸時代に模写された優品(「春日本」と呼ばれる)があり
これが、今、春日大社宝物殿にて全20巻が特別公開されているのです。

優れた模写本とはいえ、描いた絵師の魂の入り具合がやはり違うかなと思いました。
テレビ画面からでも、そこから感じた芸術性のような強いオーラ。
春日本(模写本)から発せられたものはちょっと希薄な印象でしたが・・・。

でも、そこに描かれた、平安から鎌倉時代の春日社や興福寺の様子。
春日を氏神と仰ぐ藤原氏の貴族から春日を信仰する庶民までの風俗や当時の風習など
中世という時代の暮らしぶりが生き生きと身近に感じられて
そういった意味では、この展覧会、中々面白かったです。
 

この展覧会に合わせて作られた冊子。
詳しい内容で、この絵巻をこれから勉強していく上で参考になるものでした。

この冊子から拾った気になる図柄を何点か。

まず犬好きの私にとって、絵巻に登場する犬は一番気になるところです。
蚤がついて痒がっている犬がいたり、縁側に乗っている犬もいますね。
屋敷の中では放し飼い、縁側くらいは住居の中へ入ってもよかったのでしょうね。
  

  

神の使いとして崇められた鹿もよく登場します。
  
左:大鹿出現の夢を見た場面 
中:一の鳥居付近、地蔵菩薩の乗る牛車の後を追う鹿
右:興福寺での読経中、毎日鹿がきて聴聞する様子

鹿の表現の仕方もかわいい。 

風俗として面白いもの
左:手を清める水桶の横の松の木の枝に布巾が結ばれているのが面白い
右:床の間のようなスペースや生け花のルーツともいえる、紅葉を挿した花瓶が興味深い
 

こちらは披見台。
「春日権現験記」を広げて見るための台として作られたもので、鎌倉時代の原本と同時期のもの。
この披見台も展示されています。
よく使用されたものらしく、中の骨の形が分かるほど、すれが目立っています。

以上、写真に添えた文章のほとんどは、冊子中から参照させていただきました。

かつては、天皇や将軍など最高権力者の強い要望のある時に限られていた「春日権現験記」の拝観も
こうして普通に鑑賞することができるのですから有り難いものですね。
会期がそれほど長くはないので興味のある方は是非どうぞ。

奉納700年記念臨時公開『春日権現験記の世界』

場所:春日大社宝物殿にて
会期:11月17日(火)〜11月29日(日)
時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
拝観料:大人400円