2008年12月17日水曜日

「春日若宮おん祭」2008~その3「遷幸の儀」「暁祭」



ここ数年来、今年こそ行こう行こう!と思いつつも
やっぱり来年にしよう・・と直前に心変わりしていた「遷幸の儀」。

「奈良倶楽部通信」に記録として書きたい思いもあって
今年は、お客様方に同行させていただく形で、私も一緒に出かけました。

10年以上前に行った時の記憶を頼りに書いたのが昨年のブログ

すべての明かりが消された漆黒の浄闇の中
参道両脇に落とされる松明からの火の粉の小さな光の帯だけを頼りに
大勢の神官たちに守られ若宮の神さまがお旅所まで運ばれ行く・・・。

榊の枝を用いてご神霊を十重二十重に囲んで、全員が「ヲーヲー」と
警蹕(みさぎ)の声を発しながら神様をお遷しする様子は本当に神秘的で、
その厳かで神々しい神事に初めて接した時は
身が引き締まるくらい感動したものでした。

そういう体験をもう一度体感してみたいなあと10年以上も思いながら
中々行けないものでしたが・・・。

今回は2度目ということもあり、見えない神様を「目」で探すのではなく
「香り」や「匂い」そして「音」で感じてみたいと
自分の五感を研ぎ澄まして、「遷幸の儀」を体感しようと思いました。

といいますのも、昨年参加されたお客様が、翌日の朝食の席で

『真っ暗闇の中で、最初に杉の香りが匂いたって
それからほのかにお香を焚き染めた香りが通って行った時に
「あ、神さまがお通りになられた・・」と感じることができた。』と
おっしゃっていらしたからです。

夜の11時、お客様方と春日大社二の鳥居あたりに到着し
1時間ほど参道で神さまのお通りをお待ちします。

10年以上前はこれほどの人だったんだろうかと
びっくりするくらいの大勢の参拝の人達。
ざわざわとざわついた中で、自分の心が集中できるのか不安でしたが
ご神霊が自分の前をお通りになられた瞬間、
やはり「あっ」と感じるものがあり、それは一瞬の短い時間の出来事。

感動の時間があまりに短くて、あとは人の流れに身を任せてお旅所まで。

ただあまりに多くの人・人・人!
以前は「暁祭」での奉納が普通に見ることができたと
記憶しているのですが、今回あまりの人垣で何も見ることができません。

若宮さまがお旅所に着かれ、仮宮に遷されましたら明かりがパッとついて
煌々とした輝きの中で大きな二対の鼉太鼓(だだいこ)がその姿を現す

せめて、その様子だけでも見ることができればと思ったのですが
あいにくの小雨模様で、鼉太鼓にもカバーがかけられていました。

残念なことに昨晩は漆黒の闇夜ではなく、小雨まじりの明るい夜。
奈良の暗い夜に似つかわしくないあの明るさは何だったんだろう?


さて、無事お旅所の仮宮にお遷りになられた若宮さま。
一日限りのお遊び、存分にお楽しみくださいね!

今日17日は、丸一日、若宮さまに喜んでいただくために、
芝居の語源といわれる芝舞台の上で、数々の古典芸能が延々と絶え間なく奉納されます。(「お旅所祭」14:30~22:30)

この「お旅所祭」も、神さまが若宮社に還って行かれる「還幸の儀」も
これまた数年前に行ったきりなんですが・・・。
これもまた記録のために、本日夜遅くにお旅所まで出かけようか
ただ今思案中・・・です。(「還幸の儀」・・・17日23:00~)

今、これを書いていて、外は雨の音。
ちょうど「お旅所祭」が始まった時間です。

昨晩の暁祭も雨のため神楽の奉納がテントの中で行われました。
おん祭りを見学する人達も大変ですが、またこの祭りを支える人達も
大変なことと思いながら、昨晩は早々にお旅所を後にしました。

※参考までに、17日12:30より行われた「お渡り式」。
昨年の写真ですがこちらに少し載せています。
(今年は出かけませんでした。)

冒頭の画像は春日大社遥拝所より若宮社を遠望したもの(12日撮影)
この日の若宮社は、冬の陽射しを浴びてピチピチと輝いて見えました。
「若宮さん、もうすぐですね^^」と心の中で拝みながら尋ねると
「むふふ楽しみなことじゃよ」という答えをキャッチ☆
本当かな? ホントだよ!

小さなホテル奈良倶楽部