普段は一年に一度、10/17のみしか公開されない興福寺南円堂ですが。
今年は西国三十三所めぐり中興の祖である花山天皇没後1000年にあたり
三十三所霊場の多くで、2008年から特別拝観が行われています。
その一つとして興福寺南円堂でも、ご本尊の観音様「不空羂索観音像」が
10/18(土)~11/24(月)まで特別公開されています。
南円堂に入堂するのは初めてでした。
靴を脱いで、中に入ります。
お堂の中は思った以上に広くて大きくとても気持ちがいい。
中央に国宝「不空羂索(ふくうけんさく)観音坐像」
(運慶の父、康慶の作とされ1189年に開眼供養)
今年の夏、奈良国立博物館で「西国三十三所展」を鑑賞して以来
南円堂の不空羂索観音さまを一目見たいなあと恋焦がれていました。
この観音さまは「羂索」という紐のようなもの
<羂(獣を捕らえる網)や索(魚を釣る糸)>を持っておられます。
それを使って、一切の衆生を救い、全ての願いを叶えて下さるのです。
観音様が持っている「羂索」から綺麗な何色もの色糸を捩った紐が繋がって
出ています。参拝して、この紐(お手綱)を持ち結縁させていただきます。
順番に並んで、紐を握り締めた途端に何だかキューンとなりました。
ありがたや・・・。観音様と繋がることができたのですね。
この紐、よく見るともう一つが南円堂のお堂の外まで出ています。
外へ出てみてよく見ると・・・
普段は閉じられている扉の外の「からんからん」と鳴らす鐘の紐に
繋がっていました!
普段は閉じられているその扉の向こうにいらっしゃる観音さまと
こうして一本の紐を通して結縁いただける。。。
ああ、そうなんだ。
何だかとっても嬉しく有り難いこと!
不空羂索観音像の四方には、同じく鎌倉時代に作られた四天王像。
邪鬼のない像、こちらも中々見応えのあるものでした。(国宝)
(ただ、この四天王像は本来南円堂にあったものではなく
興福寺のどこかから持ってきたものだとか。最初に南円堂にあった
四天王像は今は仮金堂に安置されているそうです。)
江戸時代に再建された南円堂。
お堂の中の八本の柱の天井近く、装飾された図柄も美しかったですよ。
国立博物館での鑑賞以来、西国三十三所めぐりをしてみようと
夏の終わりに、和歌山の紀三井寺と粉河寺を訪ねた時に始めた納経帳。
興福寺「国宝特別公開2008」
~南円堂内陣および五重塔初層内陣を特別公開~
期間:2008年10/18~11/24
時間:9:00~17:00(受付終了は16:30)
拝観料:1000円(東金堂拝観料含)
また、10/25より11/9までは北円堂も特別開扉されます。
昨年訪れた時の日記はこちらです。
北円堂は本当に素晴らしかったですよ!
では特別公開、もう一つは五重塔の中へです。
(明日に続く・・・)
小さなホテル奈良倶楽部