2008年8月2日土曜日

「西国三十三所 観音霊場の祈りと美」展



奈良国立博物館での「西国三十三所 観音霊場の祈りと美」展
開催初日の午後、早速行ってまいりました。

さすが仏像・仏教美術の奈良博です。
一級の芸術作品としてため息がでるくらい素晴らしい観音像の数々。
充実した展示作品に、わかりやすい展示方法。

西国巡礼や観音信仰などほとんど知らなかった世界だったけど
ものすごく濃い内容の良質な展覧会でした。

帰ってからも暫らくその余韻に浸ってます。

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今展覧会の目玉と言われている、初公開の
京都・清水寺奥院の「千手観音坐像」は錐金細工がすごく美しく
それを際立たせるための照明も素敵だったし、

三室戸寺の「釈迦如来立像」の衣のドレープは美しすぎるし、

岡寺の「釈迦涅槃像」はこんな間近で寝ている等身大の像を見て
思わずドキリとしてしまったし、

作られた時代を追ってるだけでも、飛鳥時代のものは、
ぼってりとした作風が朝鮮半島や大陸の大らかさを感じるし、

それぞれの観音像の一体ごとの表情や作風の違いや個性が
わかりやすく味わえてすごく楽しめました。

今回の展覧会では、
いずれも観音菩薩を本尊とする西国三十三所の寺宝や観音像など
190件(国宝10件、重文60件)が出陳されているのですが・・・

観音像、今のご本尊だったら出陳できないのでは?と思っていたのですが

例えば、興福寺の「不空羂索観音坐像」の場合も
本尊自身は出陳されていなくても、同じ形式の像や仏教画を展示説明して
色々な工夫でうまくわかるようにクリアされてました。


長谷寺は観音信仰(三十三所巡り)にとって要のところなんですね。

これまで景色や花を楽しむというようなお寺の見方だったので

展示されていたたくさんの寺宝が、これが本来あるところの長谷寺で
是非観てみたくなりました。

それから仏像だけでなく、仏教絵画もたくさん出陳されていて
昨年の『美麗展』で見た、松尾寺の「普賢延命像」もありましたよ!

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翌日の今日、色々思い出しながらこうして書いているのも楽しいことです。

ちょうど燈花会などで、奈良を訪れる方も多いと思います。
燈花会期間中の8/11(月)は開館されてますし、
毎週金曜日と8/9(土)8/10(日)8/13(水)8/14(木)8/15(金)は
19:00まで開館しています。(入館は18:30まで)

暑いお昼の時間帯のちょっと涼しげな見学場所としても
お気軽にご観覧くださいませ。お奨めです☆
(まるで奈良博の営業担当みたいですが 笑)



「西国三十三所 観音霊場の祈りと美」展

場所:  奈良国立博物館 東・西新館
会期日時:8/1~9/28 9:00~17:00
休館日: 毎週月曜日(8/11と9/15は開館し、9/16は休館)
観覧料金: 一般 1200円 (前売り1000円)
     高・大学生 800円 (前売り600円)
     小・中学生 500円 (前売り300円)
    (8/22は夫婦で観覧すると半額料金になります。)
※途中で展示替えがあります。

<<公開講座>>
8/2(土) 「西国三十三所の歴史」
        東海大学名誉教授 速水 侑
8/30(土) 「西国三十三所の観音霊験像とその広がり」
        奈良国立博物館上席研究員 鈴木喜博
9/13(土) 「"胎内くぐり"としての西国巡礼」
        29番札所・松尾寺名誉住職 松尾心空
9/27(土) 「観音の浄土・補陀落山―その信仰と造形」
        奈良国立博物館研究員 清水 健
 13:30~15:00(開場13:00)
 講堂入口で整理券を配布、聴講無料。定員200名。

<<サンデートーク>>
8/17(日) 「円教寺開山堂の性空上人坐像について」
        奈良国立博物館学芸部長補佐 岩田茂樹
9/21(日) 「西国三十三所を巡礼した人々」
        奈良国立博物館研究員 野尻 忠
 14:00~15:30(開場13:00)
 聴講無料。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

当展覧会の招待券(数枚ですが)を持っています。
会期中ご宿泊のお客様、一組につき一枚ですが、
お申し込みいただいた先着順でお渡しいたしますので、
ご希望の方はメールにてご宿泊日とあわせてご連絡ください。

小さなホテル奈良倶楽部