ほぼ20年ぶりの再訪です。
まだ30代になったばかりの頃。仏像の美しさというものが何かもわからずにいた頃。
何の予備知識もなく、ここで出会った十一面観音菩薩像の不思議な魅力に圧倒された思い出があります。
そして山門からの眺め、大和盆地の東・山辺の道に沿って遠く若草山まで縦走する山々の連なりに
「あぁ奈良のまちの美しいこと!」と素直に感動した覚えも。
今回、私が心惹かれたのは、十一面観音像安置の観音堂の壁に掛けられていた拓本の文様。
十一面観音像の光背残欠の一部分を写したもので、宝相華唐草文様がとても美しい。
こんな小さなかけらが荘厳華麗な光背を想像させてくれるのだから
これこそが小さな宇宙かもしれないと一人で満足。
聖林寺から見る、三輪山から若草山に連なる山々の眺め。20年前に感動したあの眺めも
私がよく若草山頂から眺める風景、北の端の若草山から三輪山に連なる山々の風景も
どちらも たたなづく青垣が美しいなと思う。こういう風景を見ると、つい
「やまとは国のまほろば たたなづく青垣 山ごもれる やまとしうるわし」と口ずさんでしまいます。
山々の重なりが美しい奈良の都。これこそが私の大好きな奈良の風景なのです。
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こちらが若草山山頂からの景色。
今年の5月に山頂に登った時に撮ったものです。
この時も、20年前に聖林寺から眺めた風景を思い出していました。
あぁ、久しぶりに北からも南からも両方からこの風景を楽しめて嬉しかったな☆
「聖林寺」
住所:桜井市下692
tel: 0744-43-0005
拝観時間:9:00~16:30
拝観料:400円