2009年9月26日土曜日

桜井・天理方面へ〜その1:安倍文殊院のコスモス

9月24日、シルバーウィーク明けのお昼前後。
少しだけ時間に余裕ができたので、一人で山辺の道沿い169号線を南に走ってみることに。
連休中の渋滞が嘘のようなドライブ日和++

葛城古道で咲き誇っていた真っ赤な彼岸花や本薬師寺跡に群生していた布袋葵の青紫の絨毯。
前日に目にした、思わぬ色彩の競演を思い出して
この日は秋の花コスモスに会いに、桜井の安倍文殊院まで行ってきました。




     
                                              
          

お彼岸過ぎというのに、日中はまだ真夏日の奈良地方。
風にそよぐ楚々とした風情がコスモスの花らしいのだけれど・・・
日中の日照りのせいで しなしな萎れたお花が多くて ちょっと期待はずれ。
もう見頃が過ぎたのか、まだまだこれからなのか、それがイマイチわからなくて
お客様への情報源としては心もとないことです。

ただ、現在、本堂内で 修理のために獅子から降りた姿の
文殊師利菩薩像(鎌倉時代 快慶作 重文)が特別公開されています。
公開期間は11月30日まで。一般特別公開は最初で最後らしいですし
眼前でご対面できますので、この機会に拝観されるのもいいかもしれません。
(かく言う私も、最初で最後という言葉に弱くて、行ってみたのでした。)


安倍文殊院の中で一番のお気に入りはというと
奈良・京都の歴史や文化財の貴重さを米軍に伝え、戦禍から守ったウォーナー博士の供養塔。
古都の観光産業に携わる者としては、きちんとお参りをしないと・・・と
かなりの自己中な理由からお参りしたのでしたが、供養塔が建立された「いわれ」
・・・ウォーナー博士の功績に感動した桜井市の一市民が、日本人が博士に寄せる感謝の気持ちを
永久に残したいと、当時日雇い労働者であったにも関わらず、こつこつ貯めた全財産で
自費で建立されたのでした。・・・を読んで、その精神性の高さにちょっと感動。



コスモスは思っていたほどではなかったし、境内は以前より以上に
テーマパーク的になってるし(HPからでもそのキッチュな面白さは伝わる)
でも近頃の私はこういうユニークさがしんどく感じるようになって
お寺に来たことをちょっと後悔したのだけれど。
ウォーナー博士の供養塔の前に立つと、これを建てた人の清貧な暮らしの中で
誠実に生きてこられた何かが感じられて
博士にも感謝だけれど、桜井市の一市民 中川伊太郎さんにも感謝の気持ちが湧いてきたのでした。

「安倍文殊院」

住所:桜井市安倍山
tel: 0744-43-0002
拝観時間:9:00〜17:00
拝観料:境内散策は自由ですが本堂拝観は700円(お菓子・抹茶付)
交通:近鉄・JR「桜井駅」南口から徒歩20分。駐車場有り(500円)

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ここまで来たのだから、もうちょっと足を延ばしてみようと・・・
こちらも20年ぶりの訪問になりますが、聖林寺へ。
そしてその後、まだもう少し時間があったので長岳寺と黒塚古墳もまわってきました。
(・・・次の日記へ続く)