2009年3月1日日曜日

修二会こぼれ話26~「お松明」

いよいよ今日からお水取りの本行が始まります。

夜7時に二月堂に上堂される練行衆の足元を照らす灯りとして
「お松明」が毎夜上がり、二月堂舞台の上から零れ落ちる
火の粉の舞いを楽しみに奈良にお越しくださる方も多いのですが

まずは1258回目の修二会初日
3月1日の初夜上堂
最初の1本目の「お松明」をどうぞご覧下さい☆

登廊を上っていきます。

     
二月堂北の角で大きく突き出し

一気に舞台を走ります。

南の角でもひときわ大きく突き出して

火の粉を振るい落とします。

お松明は毎夜7時に10本上がります。
練行衆は11人ですが、一番下座の「処世界」役の練行僧は
先に二月堂に上がっておられますので
7時に上堂される練行僧10人の足元を照らして10本が上がります。

(ただし12日は処世界の僧も一旦下堂してから上堂されるので7時半に
11本。最後の日の14日は6時半に10本の松明が5分間隔くらいに次々と
上がっていきます。)

さて、その10本のお松明ですが、
この日は登廊(のぼりろう:北側の階段のことをこのように言う)を
10本上がりましたが、舞台の上に出たのは7本だけでした。
長い間、お松明を見学していますが、
10本舞台に上がらなかったのは、初めてのように思います。

帰宅してから調べましたら、『最後の4本は登廊は上るが
必ずしも舞台には出ない』・・・と「木村昭彦写真集」の巻末の
橋村公英師が書かれた文章にありました。

下座の僧から上堂され、最後に上の位の四職の僧が上堂されます。
四職の練行衆が北出仕口から堂内に入られる時だけ
お松明を担いだ童子さんは膝まづいて「お見送り」されるような形で
しばらく待たれます。おそらく、この時に火の粉の勢いが大きくなりすぎ
舞台に上がるのが危ないと判断されたのかもしれませんね。

小さなホテル奈良倶楽部