2009年3月3日火曜日
高取町の「町家の雛めぐり」その1~長々文章編
お雛様というのは幾つになっても心がウキウキとするものです。
奈良県の南部(県外の方には明日香の南といえばわかりやすいですね)
高取町というところで「町家の雛めぐり」というイベントが
3/1~3/31の期間、開催されていますので初日の1日に行ってきました。
この「町家の雛めぐり」は今年で3回目の開催で
回を追うごとに来場者数が増え、また展示協力されるお宅も増えて
町をあげてのイベントに発展しているということです。
以下、HPより「雛めぐりとは」からの抜粋です。
日本一の山城「高取城」の城下町として栄えた高取町。
昔からの町家が多く現存し、その当時の佇まいを残しています。
その名は、土佐街道。
この町並の佇まいを、ひとつのテーマパークに見立てて
開催されるのが「土佐町並み町家の雛めぐり」です。
2007年から始まった「町家の雛めぐり」は、今回で3回目。
昨年は七十数軒の展示ですが、町あげてのイベントに発展し、
今年は約八十軒のお雛さんを町並みのあちらこちらで展示しています。
何だか楽しそうなイベントですよね。
昨年から気になっていたのですが「遠いしなあ~」と行くことをあきらめて
いたのです。でも開催期間が1ヶ月間もあるし、「その内いつか行こう」と
夫に「3月中に高取まで連れってね」とお願いしたのが2月28日の夜。
思い立ったが吉日の夫は「じゃ、明日行こう!」と即決。
「ええ~、奈良倶楽部の休館日じゃないからチェックインまでに帰るのは
ちょっときついよー」と引き気味の私でしたが、ほんと、思ったときに
出かけないといつまでたっても出かけられないし・・・。
という訳で、前日の夜遅くまで「雛めぐり」のHPをチェックして
効率よく回る段取りもして(このHPがメチャわかりやすい!)
日曜日の朝、チェックアウト後の仕事をささーっと済ませて
車でジャスト1時間。高取町役場の無料駐車場到着。
(駐車場が無料というのも成功の秘訣なのでしょうね!)
++これから行かれる人のために++
駐車場から徒歩5分で近鉄「壺阪山」駅前へ。
ここでわかりやすい地図をもらってからバスで「壺阪寺口」へ。
(※バスの本数は少ないのでHPでチェックしてください。)
私達はHPのお奨めコース通り、バスを使って、それから街道すじを
歩いて駅前まで戻るようにしましたが、バスの時間とうまく合わない時は
往復歩いてもそれほどの距離ではなかったです。
また、HPには「時間のない人のためのコアゾーン」が紹介されていますが
私達は立ち寄り時間2時間弱という限られた時間でしたが
ほとんどのお宅の「雛めぐり」を楽しむことができましたので
コアゾーンだけではなく、できれば「土佐町並み街道」の散策を楽しんで下さい。
私達は時間がなくて、せっかくここまで来たのに
「壺阪寺」も「高取城跡」も行けなかったのは残念でした。
丸一日時間があるようでしたら、「雛めぐり」と明日香の観光の両方を
楽しむことも十分できると思います。
それから・・・(すみません、何様?ってお叱りを受けるかもしれませんが)
由緒あるお雛様めぐりなどで目の肥えた方から見れば・・・
展示されている80軒近くのお雛様、全てが骨董的価値や美術品的価値の
あるものではないので、そういう価値観での雛めぐりじゃなくて
展示箇所は民家の玄関や縁側、店先など、現在実際に生活されている
ご家庭に展示しており、基本的に、そのご家庭に縁のあるお雛様で、
飾り付けも、そちらの方々で行われています。
また、住民との会話も大好評。
展示会場によっては、雛人形を飾っているお宅の住民さんと
会話が出来ることがあります。(HPより抜粋)
こういう雰囲気、とても微笑ましいじゃないですか!
町の人達とお喋りもでき、とても楽しかったですよ。
お雛様の時代的背景からいうと、今回面白いことがわかりました。
御殿式の屋形の中に男雛・女雛を飾ったものは 時代的には
大変古いものだと思っていたのですが(冒頭の写真の左のタイプ)
説明文を読むと昭和32年や34年のものもあり、
同時代の私のお雛様は冒頭の写真の右のように金屏風なので
「あれ?」と不思議に思い、そのお宅の方に尋ねてみました。
その方が仰るには「昭和30年くらいから金屏風のお雛様がでてきて
大阪で買った人は金屏風だけど、田舎で買った人は昭和34年でも
屋形飾りのお雛様が残っていたので」ということでした。なるほど☆
ちょうど私の母親世代の方が多く、その方の娘さんにご実家から
贈られたお雛様なので、私と同じ50年前のお雛さまが多い町です。
これくらい前のお雛様が一番保存状態が綺麗ようにも思いました。
あまり若い人のお雛様だと骨董好きの私には物足りない感じで・・。
古いお雛様でも、母親世代の方のものなので
せいぜい70~80年前のものです。この年代のものは少ないながらも
何軒かありました。
立派なお宅の中で室礼も素敵というおうちも何軒かあります。
そして母親世代の方々に「娘さん(つまり私と同世代)が嫁がれて
雛飾りも長い間されてなかったのが、こうしてまた飾ってあげることが
できて、よかったですね。」とお話しましたら
「もう本当にそう!」と、飾るのはとても大変なのだけれど
とても嬉しそうにおっしゃってました。
思わず、自分の子どもの頃を思い出して、懐かしさがじわ~んと
こみ上げてきました。母も大変、大変と言いながら毎年飾ってくれて
その間、私は壇飾りの中に隠れたりして遊んでばかり
飾ったり仕舞ったりを手伝ったこともなく・・・。
今、もしこのようなイベントが実家の町であったら、年老いた母も
きっと嬉しそうにこうしてまた飾ってくれるのだろうな。
私もきっと手伝いに帰るのだろうな・・・。
家族の思い出がいっぱい詰まったお雛様。
世代を越えて、母から娘へ、孫娘へと代々受け継がれていくお雛様。
単なる「町おこしのイベント」だけではないものがお雛様にはあるのよね。
また街道筋は全てが古い町並みか・・・といえばそれもそうではなく
ごく一部に昔の名残が残っているだけですが
ここで大変懐かしい出会いがありました。
皮膚科で全国的に有名な「石川医院」 です。↑
何と、私、大学の時にひどい主婦湿疹でずっとここへ通ってたのでした。
(註:決して洗い物をして主婦湿疹になったのではございません^^
油絵の具で皮膚をやられてしまったのです。)
もう忘れていたけれど、こんなところにあったのですね。
あの当時は駅から随分遠いところと思っていたけれど
今なら駅から随分近く感じるのも不思議。
(昔はあまり歩かなかったから、そう感じたのですが)
というわけで、私は懐古の情で大満足の雛めぐり。
夫も酒屋さんの店先めぐりで大満足(笑)
慌しい中での雛めぐりでしたが、二人で十分堪能して楽しみました。
では続きは写真編です。これも長々としたブログになっていますが
ご容赦下さいませ^^
小さなホテル奈良倶楽部