2009年2月3日火曜日

奈良市内の美術館巡り~後編~

『入江泰吉記念奈良市写真美術館』



ちょうど「大和歳時記~季節を彩る伝統行事~」展が開催中でした。

私は「お出かけ情報」として季節の伝統行事を毎月ここでご案内していますが、調べれば調べるほど、たくさんの伝統行事が奈良県下にはあって
名前は聞いていても見たことがない・・とか
全然知らなかった・・・というようなものも大変多いのです。

特に新年の1月や2月の行事には、大和の人々が
国家安泰・五穀豊穣の願いを込めて続けてきた年中行事が多くあり

こういった大和に伝わる、長きにわたって護り継がれた文化や慣習
生活に溶け込んだ風習などを 写真を通して興味深く知ることができました。
(撮影された時代は昭和30~40年代が多いのでこれまた面白い。)

そして、ちょうどお水取りの時期にも重なって開催中ですが
「12人目の練行衆」と呼ばれる入江泰吉さんが
練行衆と行動を共にしながら、その修行風景や行法の全てを記録した
お水取りの貴重な写真がたくさん展示されています。

お水取りに併せて奈良にお越しのお客様、この写真展をご覧いただくと
より一層お水取りについて理解が深まると思いますよ。

このような講座もあります。↓

写真美術館学芸員による公開講座
「入江泰吉とお水取り」

日 時:2/14(土) 15:00~16:00
場 所:入江泰吉記念奈良市写真美術館 講座室
参加費:無料(申込不要)
内容:深くお水取りに関わってきた入江とその法灯を護り続けた練行衆の
   祈りの心、又、約1ヶ月にわたる行法の全貌を入江作品から探ります。


この写真美術館は名前に「入江泰吉記念」と冠しているように
約8万点の入江作品の膨大なフィルムを先進保存技術を導入して永く保存し
芸術作品として又貴重な資料として公開するという目的を持った美術館であります。

入江さんの撮った大和路の風景や仏像・・・

奈良倶楽部を開業する時に何冊か入江さんの写真集を買い求め
奈良のお寺の伝統行事や仏像のことを写真から勉強した思い出が・・・。

仏像や寺社の多くを入江さんの写真が手ほどきしてくれたのです。

++今回の展示作品の写真集「入江泰吉の大和路⑤祭りと歳時記」も
奈良倶楽部の図書コーナーに置いてますので++

先日、金沢21世紀美術館で「杉本博司・歴史の歴史」展を観たときに
奈良にある写真美術館もこれくらいの展覧会してくれればいいのになあと
ちょっとだけ思ったのですが・・・
いや、やっぱりここはこれでいい。入江さんの奈良がいいと再確認。


建物は黒川記章氏設計。この建築も好きです。

『入江泰吉記念写真美術館』

住所:奈良市高畑町600-1
tel:0742-22-9811
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
入館料:大人500円(毎週土曜日は小・中・高校生無料)
駐車場:1時間まで無料

小さなホテル奈良倶楽部