2009年1月17日土曜日

「さて、大山崎 ~山口晃展~」


昨年12月から行きたい行きたいと思っていた
「さて、大山崎 ~山口晃展~」(アサヒビール大山崎山荘美術館)に
ようやく行ってきました。

今日は夕方から大阪方面へ夫と二人で出かける予定があり
その前に、私だけ京都周りで大山崎に立ち寄って行こうと思ったのですが

大山崎山荘美術館自体を見てみたいと、
美術展にはあまり興味がない夫も同行することに。。。

せっかく出かけるなら、ついでに立ち寄りたいギャラリーが
京都駅近くにあって、私一人なら多分タクシーで往復していたかもしれない
駅から徒歩20分の「小山登美夫ギャラリー」へ。もちろん往復歩きました。

展示物には興味のない夫「外で待ってるし」私「えっ?」
おかげで立ち寄り時間10分もなかったと思いますが
村上隆や奈良美智を世に出した、あの高名な(私でも名前だけは知っている) 「小山登美夫ギャラリー」が、昨年末に京都で開業されたので
ただただ、どんなところか好奇心だけで立ち寄ってみたということで。
(この日は企画展は開催されていず、エディション作品のみ展示。)

急ぎ足で京都駅まで戻って大山崎へ。駅から山荘美術館までは勿論歩きです。 (ご存知だと思いますが、かなり急な登り道です。 先程の京都駅周辺の歩きと合わせて、散策好きの夫は色々な土地の風景を楽しめて、これだけで満足してましたが。)

で、ここでも夫「僕は建物と常設の民芸とモネが観たいだけやし。
ここで待ってるからゆっくり観ておいで。」・・・・。(って言われてもなぁ)

・・・・おかげで一人でゆっくり堪能しました。
山口晃さん、メディアや雑誌などでその作品に触れ、人柄(?)と合わせて
かなり興味津々な作家でしたが実は実際の作品に触れたのは今回初めてです。

想像以上に素晴らしい!いいわ~♪好み~♪と心の中でかなり盛り上がって
楽しんで観てまわりました。

まず、安藤忠雄設計の地中に埋め込まれた円形で手狭な展示室の方を鑑賞。 この展示室で初めて山口作品と出会うわけですが、
その最初の記念すべき作品が『壁面見立』シリーズです。

これがまた~~!かなりのブラックユーモアとエスプリが効いている!

地中の展示室はかなり狭くて円筒形なので、作品を飾りにくいし見難いし。
それにここに常設しているモネの「睡蓮」を全く片付けるわけにもいかない
だろうし・・・。苦肉の策ではないでしょうけど・・・

元々からあるコンクリートの壁のシミにスポットライトをあてて
作品として見立て命名しているのです!すごいセンス!(お見事!)
これが、薄暗い館内に妖しげな雰囲気を漂わせてモネとの共存も絶妙。

勿論、絵画作品も展示されています。中央の仕切り内に『洛中洛外圖』。
この『洛中洛外圖』の駄洒落がまた面白くて!(声に出して笑った!)

こういう発想にすっかり感動して、いよいよ本館展示室へ。
大山崎にゆかりのある千利休や「天下分け目の天王山」として知られる山崎の合戦からの着想を織り交ぜながら独自の発想に磨きをかけ、茶や戦に関わる新作が展示されています。

どの作品もツボにハマル~と感じながら楽しみました。
入り口でもらった「作品ワンポイント解説」と合わせて鑑賞するとより楽しい!
未完成だといわれているドローイングの『チェンバロを弾く高山右近』に
巧みさを感じ、『すずしろ日記』にも才能のすごさを感じ
楽しく展覧会を味わうことができ大満足♪

ただ一つ残念なのは、同行の相方が同じ感性を持っていなかったので
作品を見終わった後のワクワク感を共有できなかったのが淋しかったこと。

帰宅してからアンドリューワイエスの訃報を話題に上げると
「アメリカの小説によく出てくる画家の名前だ」と読書家の夫。
「一度作品を観てみたい」と。
「今、名古屋で開催中だから行こうよ」と一応お誘いしてみる私。
一緒に行ければいいな。帰りの車中で感想を楽しくお喋りできればいいな。

 
大山崎山荘美術館
ガラスの通路を下りて地下へ 

「さて、大山崎 ~山口晃展~」 は3/8まで。
詳細は大山崎山荘美術館 のサイトで。
山口晃さんの関西初の個展。私個人的にはかなりお奨めです!

・・・・・・・・・・・今読み返してみると
何だか今日は完全に「美術ブログ」になってしまっている^^

昨年末に一年間の間に観たベストな展覧会をアップしてから
こういう趣味的なことを書くのも一つの楽しみになってきているし、
何よりも観てきた感想を話してみたいという気持ちも強くて
勢いで書いてしまいました。時々「奈良の情報」とは違う話題も
アップしてしまいますが、よろしくお願いします。

最後に今日のトピックス☆★

「まほろば・・・つれづれ日記」さんのブログ
奈良倶楽部をご紹介いただきました。
とても温かな気持ちのこもった文章でご紹介いただきましたので
ご覧いただければ嬉しいです。
(しをんさん、どうもありがとうございました。)

小さなホテル奈良倶楽部