2009年1月15日木曜日

博物館で仏像仏画法要

奈良国立博物館本館 
東大寺一山、十数人の僧侶達による読経が途切れることなく
唱和された声声声が高い天井へとすくい上げられ
また仏の元へ 静かに還っていく。
流れていく響き。心地よい音のリズム。

散華を撒く僧侶の指の動きがうっとり美しい。
ひらひらと散る華、ひらひらと。


奈良国立博物館本館にて「冬季仏像仏画法要」が営まれたので
昨日、初めて参加してきました。

これは展示されている(寺外にお出ましになった)
信仰の対象である仏像や仏画を寺側が供養する法要なのですが

仏像や仏画が美術品だけでなく信仰の対象であることを認識してもらおうと
2006年から入館者にも一般公開されるようになったものです。

今年度からは、春秋の法要に夏と冬も加えて年4回行われるようになり、
昨日の「冬の法要」は東大寺一山による法要でした。
(ちなみに秋の法要は興福寺の僧侶によるものでした。)

東大寺による法要ですから、東大寺から貸し出されている
本館陳列室の弥勒仏坐像(重文)前での読経でした。

では興福寺一山の場合はどちらの仏像の前で読経されるのか
ちょっと興味がありましたので、法要が終わってから
博物館の方に尋ねてみました。

「興福寺からお借りしている仏像は
八部衆の中の一体、緊那羅(きんなら)像や
十大弟子像の中の二体など、みな国宝ではあるけれど
仏像としては位の低い仏像ばかりなので、興福寺以外のお寺のものから
より如来に近い仏像を選んで法要しています。」ということでした。

帰宅してから、秋の法要に参列されたしをんさんのブログを覗いてみると
兵庫県浄土寺の裸形の阿弥陀如来立像の前で読経されたとありました。

しをんさんから色々お話を聞いていると、お寺によって法要の仕方も
異なるようです。では春と夏の法要はどちらのお寺がされるのでしょう?

法要に参列した私も最後にお焼香をさせていただき
博物館の中で仏さまに手をあわせるという、いつもと違った雰囲気も
また敬虔な気持ちになっていいものだと感じました。


上に書いた『八部衆の中の一体、緊那羅(きんなら)像や
十大弟子像の中の二体
』などの興福寺の国宝は
東京国立博物館での「国宝 阿修羅展」にお出ましになられるのですね。
どのように展示されるのか、今一番興味を持っているところです。

昨日の法要の様子は読売新聞オンラインニュースを参考にご覧下さい。

 東大寺の散華

小さなホテル奈良倶楽部