2008年2月5日火曜日

お水取りを支える「竹送り」について

暦の上ではもう春ですね。

まだまだ寒い毎日ですが、節分を過ぎると
そこはかとなく春の気配を感じることもありますね♪

奈良に春を告げる「お水取り」(東大寺二月堂修二会)ももうすぐです。
「お水取り」の行事は、よく知られている3/1~3/14の”本行”の前に、
2/20からの”前行”から行われるのですが、

実はこの”前行”の前に行われる行事のひとつに
『竹送り』という「お水取り」を支える行事があります。



『竹送り』・・・

二月堂の舞台を駆けぬける松明の炎はあまりにも有名ですが、
その松明に使われる真竹を、京田辺市の山城松明講の人々によって
京街道を通り、二月堂へ届ける行事のことです。

戦前に途絶えた風習を約30年程前に山城松明講によって復活されました。


毎年2月11日に行われる行事の様子を時間を追って説明します。

朝早く、京田辺市にて周囲が30cm以上もある真竹が掘り起こされます。

9:00頃、普賢寺(観音寺)にて竹寄進の法要が行われます。
*普賢寺(観音寺)には、十一面観音菩薩(国宝)がおまつりされています。

9:30頃、普賢寺出発

10:30頃、奈良阪(奈良倶楽部から歩いて15分くらい)到着後、
     大八車に移され車を引いたり肩に担いだりして一路東大寺へ。

11:00頃 道中、国宝・転害門(てがいもん)前にて休憩。
ここで、地元の有志の会(夫も会員なんだけど^^)によって
お茶やおぜんざいの振る舞いがあります。



12:00 東大寺二月堂到着。

・・・というようなタイムスケジュールです。


奈良阪から二月堂までの道中、
一緒に竹を担ぎながら京街道を進んだり、
街道沿いから竹送りの労をねぎらったりと、
どこかで飛び入りで参加することもできます。



本行までのその他の行事予定は以下に・・・☆


2/11●竹送り●
松明の竹が「山城松明講」の方々より切り出され二月堂の奉納されます。
般若寺から二月堂までの間は、荷車で搬送されます。

2/20●別火入り●
練行衆が戒壇院の別火坊に篭もり、一般の生活とは別の世界へ入り込みます。

2/21●試みの湯●
行法中(3/1-3/14)に入浴する風呂に試みに入浴する儀式です。

2/23●花拵え●
仏に供えるツバキの花を、たらの木を芯にして紙で造花します。
花芯は黄、花びらは白と紅の象徴的なツバキの花は、およそ400個。
その他、ナンテンの実を竹に装飾したり、灯りの燈芯などが準備されます。

2/21、25●社参(しゃさん)●
大仏殿、開山堂等の諸堂を巡拝し、参篭したことを報告します。
娑婆との別れの意味も含まれています。

2/27●衣祝儀(ころものしゅうぎ)●
行法中に着用する衣(重衣)の着始めの儀式。
重衣の下には紙衣(かみこ)という和紙でできた衣が着用されます。


奈良倶楽部が開業しましたのが、3/11という、
「お水取り」のさなかのことでした。(平成元年です!)

「お水取り」の最中にお誕生日を迎えた私達・・・
それだけにお水取りへの想い入れも強く、
できるだけたくさんのお客さまに
1250年以上も脈々と受け継がれている
厳かな行の素晴らしさを感じていただきたいなあと思っています。

これからお水取りに向けて、少しずつですが
「奈良倶楽部通信」にて地元ならではのお話をご紹介していければと思っていますのでよろしくお付き合いくださいね。

小さなホテル奈良倶楽部