ミュージアムへの入り口付近と、そこから見た瀬戸内の海。
とても気持ちのいいところにあります。
ただ、さきほど見た地中美術館の印象が大きすぎて、
15年前にできたこちらの美術館は作品展示物、展示の仕方、空間(建築)と作品の関係性、どれをとっても地中美術館には及ばないので、
そういう意味では少し物足らなく感じてしまいました。
地中美術館は、作品と建築のコラボが絶妙でどちらも主役であるのだけど、
こちらは、昔からの美術館の手法・・・箱(建築物)に並べるという感じで、地中美術館で目が肥えてしまった私には、
「ああ、現代アートなんだ・・・」というだけで、あまり心に響いてこなかったです ・・・。
大竹伸朗、杉本博司、須田悦弘・・・見知った作家の作品も多く、面白くはあったのですが、
(個人的には須田さんの『雑草』、安田侃さんの『天秘』などがよかった・・・)
やはり現代アートというのは、個展みたいに、その作家一人が一館まるごと又は一室丸ごと展示されてないと、その作家のエネルギーが伝わってこないのではないか・・・と思いました。
もし色々な作家の羅列におわるなら、テーマの一貫性があって展示してないと、単なる作家紹介の入門編になってしまうのではとも・・・。
で、そういった観点からみると、「家プロジェクト」は非常に意義ある面白いアートプロジェクトだと思いました。
「家プロジェクト」とは・・・
直島の本村(ほんむら)地区において、古い家屋を改修し、アーティストが家の空間そのものを作品化したプロジェクト。
それぞれの建物、そこで営まれていた生活や日本の伝統・美意識に対峙した空間がアーティストによって形づくられ、永久展示・公開されています。(パンフより)
例えばこんな感じ・・・
「角屋」という古い家の中には座敷4室の畳を取り払って宮島達男の作品が。
「護王神社」は杉本博司さんの水平線が面白く見ることができ、
「碁会所」では須田悦弘さんの五色椿が座敷の上に12個ほど置かれていて、らしさの伝わる素敵さ。
写真は碁会所の庭の五色椿
「石橋」の蔵の中では、千住博さんの滝の絵が。
母屋の方では、2月から千住さんが住み込んで作品制作されるそうですよ。
「はいしゃ」は一軒まるごと大竹さん。
この他に、「南寺」ジェームズ・タレル(現在修理中で見られなかった)
「きんざ」(金・土:日・祝のみ事前予約制で見られなかった)などがあります。
全部共通券で1000円。
どこのお家にも、地区のおじいちゃん、おばあちゃんがいて案内して下さいます。
どこも私一人の貸切状態だったので、皆さんとても親切に説明して下さって大変有難かったです。
先のベネッセミュージアムもほぼ貸切状態、
(ここは館内の方達が皆さんあったかくて親切。そういう意味ではいい美術館でした。)
地中美術館も鑑賞者が各室2~3人というベストな環境だったので、
土日の人の多い時に行かれたら印象は違うかもしれませんね・・・。
先に「家プロジェクト」のことを書いてしまいましたが、
「ベネッセミュージアム」を出てから屋外には、
たくさんの作品が展示されていますので、少し写真をご覧下さい。
(こちらは撮影OKです。)
ジョージ・リッキー「三枚の正方形」
お馴染みの草間弥生「南瓜」
草間弥生のかぼちゃはフェリー乗り場にも・・・。
こちらは赤い南瓜で、中にも入れます。
夕方になり、フェリーで帰りは岡山県の方(宇野港)へ戻ります。(20分)
そこからJRで岡山へ(50分)。
そして新幹線で帰って来ました。(新大阪まで45分)
あまりに近いのでびっくりでした。
私の趣味ともいえる、大好きな美術鑑賞の旅。
新年早々の初めての一人旅。
今年はこれからどんなところへ旅できるかな・・・。
いろんなアートに触れていきたいな・・・ ☆
小さなホテル奈良倶楽部