一人旅をする機会に恵まれましたので、どこへ行こうか迷った末に
「高野山」へ。そして初めての「宿坊体験」。
何故、高野山?と。
いや、奈良倶楽部に宿泊された外国人客のほとんどが高野山へ
行かれるので(そして行き方を聞かれるので)ヨーロッパの人達が
なぜ高野山に惹かれるのか、興味があったという事と
数年前に東京国立博物館で高野山関連の展覧会があり
その時の素晴らしかった印象、そして国宝・重文のほとんどが
「霊宝館」に展示されていると知り、もう一度見られたらいいなと。
しかし、霊宝館はまったくの期待はずれでした。保存のためでしょうが
特別展の時にか、国宝は公開されないらしく、ひどく残念でした。
また帰宅してから、「高野山へ行ってきた」という話を友人知人達に
しましても「ええ~あんな抹香くさいところへ何故?」とか
実家の両親にも「何かあったの?」とか心配される始末で・・・。
そんなところなんですねぇ。せっかく一人旅の話をしても、
みんなに引き気味にされて盛り上がらなかったので
ちょっとテンション低めで、旅の体験記を書いてます^^;
出発前に旅の予習を、南海電鉄の高野山のサイトで学習して
「天空の都市」というコピーにワクワク期待していたのでしたが
高野山自体は観光地&お墓が多いという印象で確かに抹香くさい。
私が期待していたのは、新緑の山歩きの方で、これも行ってみて
わかったこと。でもお昼から夕方にかけて、一人でてくてくするには
ちょうどの規模、広さでした。(奈良から日帰り十分できます。)
奥の院入り口から
弘法大師信仰の最も重要な聖地であり高野山の中心地「御廟」までの道。
うっそうとした杉林。
歴史に名を留める戦国武将達の墓が並んでいるのだけれど
現世であれほど憎しみあっていた者同士、どうして仲良く並ぶことが
できるのかが不思議。プライドってものがないのかねえ・・・。
奥の院とともに、高野山二大聖地のひとつ「壇上伽藍」 へ。
西行桜と三昧堂。
(西行法師お手植えの桜と参籠されていたお堂。)
不動堂
(国宝の屋根の上に竹箒が!)
西塔
奈良京都の古寺を見慣れているせいか
高野山の伽藍は、奈良のような大らかさや京都のような雅さ
ではなく、何か大阪的な匂いのするお寺の印象を感じました。
これは↓ 何でしょう?
「宝来」といい
田んぼのない高野山では注連縄を作る藁を調達できないので
この「宝来」が注連縄の代わりとなるそうです。
高野山の人口4000人のうち、僧侶は1000人。
120近い寺院の総本山というべきところがここ「金剛峰寺」
ここは襖絵や石庭、秀次切腹の間など見どころ多かったです。
ちょっと面白いのは屋根の上の大樽↓
雨水を溜めているのだそうな。
ではこれも?
こちらは清めの水だそうです。
では本日のお宿、宿坊「福智院」へまいりましょう。
高野山に一箇所だけという24時間入浴可能の天然温泉と
重森三玲作の庭園、800年ほど前に覚印阿闍梨が開創したという
歴史などが決め手となって選んだのでした。
確かに古美術品などはすごかったです。
天然温泉も「たたみの湯」という、畳敷きのお風呂があってびっくり。
結構一人でも色々楽しめましたよ。
で、やっぱりフランス人がとって~も多かったです。宿坊でも。
「巡礼の道」とかの影響かな?関西空港にも近いしね。
ケーブルカーから見た新緑のパノラマがとても美しかった!
今回の旅、準備の段階から色々色々
おもてなしをする側からも参考になることがたくさんあって
それはそれなりに充実した旅でした。
機会があれば、できるだけちょこちょこと旅していこうと思いました。
小さなホテル奈良倶楽部