2008年10月2日木曜日

高麗美術館へ

京都の高麗美術館で開催中の「ポジャギとチョガッポ展」
韓国刺繍博物館のコレクションを中心とした作品展へ行ってきました。




8年前、韓国刺繍博物館でポジャギと出会ったことは私にとってのみならず
奈良倶楽部にとっても随分大きな転換点になっているのですが。
(詳しくは奈良倶楽部ホームページを。)

あの最初に初めてポジャギに出会った時のわくわくした感動を
もう一度味わうべく、楽しみに訪れたのでした。

奈良倶楽部ホームページに書いたその最初の感動はこんな感じ。
    ↓ ↓
韓国らしい色の組み合わせの絹のポジャギの美しさもさることながら、
私は麻のポジャギのモノトーンで繊細な色使いのものに
配色の美意識の高さを感じました。
クレーやモンドリアンの抽象画になぞらえて、
ポジャギは「布で綴る絵画」ともいわれていますが、
こんなに素晴らしい芸術品が名もなき女性たちによって生み出されたという感動!


私が絵を描く上で随分刺激をもらったポジャギ。
(・・・・前にも書いたことがあると思いますが、
縫い物が苦手な私はポジャギを作ることができません。
その造形美をアートとしてコレクションして楽しんでいます。)

また今回は2階に展示されている高麗美術館収蔵品のポジャギも楽しみでした。

これは高麗美術館研究所員の山本氏が5年の歳月をかけ収集されたものです。
山本氏のポジャギへの熱い思いや、
陳腐な言い方かもしれませんが「愛」が2階の展示室に溢れていて

私は、ポジャギに出会った最初の頃の感動を思い出し、初心に帰って、
一点ずつ「わーわーキャーキャー」と大興奮で鑑賞してしまいました。

山本氏の展示の工夫の一例ですが・・・
(写真は絵葉書と館報から)

クレーの作品写真と並べて、二作品の色使いと構成が似ていることなど
偶然に同じ想像力を持って創られたことへの畏敬の念を表現されたり。

 

照明によって光を孕んだポジャギと、また同じ布使いのポジャギでも
照明無しではこんな風というような展示をして、
光を取り込むことで多様に変化するポジャギの魅力を紹介されたり。

←照明を当てたもの。

私や女性だったら、まずコレクションしないだろうなあと思われるものも。
それはこれ→ 

カーキー色の軍服の端布ばかりを縫い合わせたもの。

山本氏によると、クレーが好んだ数字とアルファベッドのプリント(40R)が
適度にアクセントとなっていて、縫い目もムカデの足のようにバラバラだけど
愉しく、穴の繕いも愛嬌があって面白いということで。

誰が何の目的で作ったものか?
ただ、これこそが「ものをおろそかにしない。端切れを組み合わせる」という
チョガッポの精神を継承した正統派ではないかと。

また、デザインを定規で製図して、均一な縫い代と精緻なまでに細かい針目の美しさに執心するのが、本来のポジャギではないよと。

これは私もそうだけど、縫わない人が思うことかもしれませんね。

山本氏の眼(審美眼)を通してコレクションされたポジャギを見せていただき
こんな作品(絵)を作りたい!と思った一日。
久しぶりにソウルへ行ってみたいと思った一日でした。

ちなみに一階の韓国刺繍博物館からのポジャギも、実は山本氏と、
「李青」の鄭さんがセレクトされたもの。

 鄭さんの所蔵品だったもの

私のお気に入りは 
(2階の館蔵品から)

1階の韓国刺繍博物館コレクションのポジャギには
ヌビのものも。

この色使い、最高!

高麗博物館での展覧会は10/13までです。



・・・・この日は
高麗美術館の前にこちらで美味しいビビンバを。



夜は素夢子古茶家
田中泯(ダンス)× 高橋竹山(津軽三味線) のコラボを。

濃ゆ~い京都での一日でした。。。

小さなホテル奈良倶楽部