2009年12月18日金曜日

「春日若宮おん祭」 2009*還幸の儀



12/15から12/18までに行われる「春日若宮おん祭」の神事や祭事を見学することが
今年は、時間があわなかったりして、一度もできないかなぁと思っていました。

17日の朝食の席で、昨晩の「遷幸の儀(せんこうのぎ)」に行ってこられたお客様同士で
お話されているのを聞いているうちに
やっぱり最後の最後に「還幸の儀(かんこうのぎ)」に参列してみようと・・・。
(ご存知のように、おん祭の頃の奈良はものすごく冷え込みます。
深夜に出かけることは、いつでも行ける地元民にとっては、かえって決心のいることなのです。)

それでもぎりぎりに家を出て、お旅所に着いたのはちょうど「お旅所祭」が終わろうとしている頃でした。
(写真は、お旅所での鼉太鼓~だだいこ~を人垣の間から撮影したもの。)

「還幸の儀」とは、お旅所にて若宮さまが、奉納芸能の数々を楽しまれた後、
ふたたび若宮神社へとお還りになることで、17日23時前にはお旅所をご出発されます。
24時までには若宮神社にお還りにならないといけませんので
往きの「遷幸の儀」にくらべ、還りの「還幸の儀」の行列は少々早足です。
旅情をお慰めする音楽「道楽(みちがく)」のテンポもやや早く、軽やかなものとなっています。

「遷幸の儀」と同じように「還幸の儀」も、すべての明かりが消された漆黒の浄闇の中
参道両脇に落とされる松明からの火の粉の小さな光の帯だけを頼りに
大勢の神官たちに守られて若宮さまが還っていかれます。

そして若宮紳社に還られて、無事に元の本殿へとお鎮りになってから明かりがつきます。
その後、神楽殿で神楽が奏せられるのを私達参列者もその場に座って拝聴し
最後に順々に若宮社に参拝をして帰途に着いたのですが・・・。

・・・・・・・・・

沈香の香りが漂う中を、榊の枝を用いてご神霊を十重二十重に囲んで
「ヲーヲー」という警蹕(みさぎ)の声と共にお還りになる厳かで神秘的な神事に触れ
感動を体感してみたいという、そういう気持ちで静かに参列している人たちの中で
行列の最後の方では、絶えずお喋りをしている女性達。(そのお喋りにたまりかねて注意しましたけれど)
他愛のない会話がせっかくの場の雰囲気を壊していることにも気づかない人たち。
どのような明かりも点けてはいけない場で、携帯の画面を覗いている人もいて。

上から目線で苦言を呈するつもりはありませんが
「神事」や「法要」などに参列する場合は、その意味を理解してマナーを守っていただきたいものです。

一方では自分自身も反省しています。
私は、ブログを通して色々な出来事を紹介する際に、できるだけ「素敵な奈良」を伝えたいと
言葉や写真を選び、マイナスな言葉を避けて、よきことだけを伝えてしまうところがあります。
ブログで発信される情報が、よきことだけではなく、もっと振幅の広いものであるよう
これから心がけていかなければと思いました。