2009年10月27日火曜日
花梨の薫りと、思い出すこと
いつもこの時期に ご近所の五劫院さんからいただく花梨の実。
花梨シロップを作る前に 館内のあちらこちらに置いて
その芳香を楽しのは毎年のこと。
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そして、花梨の実を置くと
ずっと正倉院展の時期にご宿泊下さっていた青森のKさんを思い出すのも毎年のこと。
花梨を見てKさんはいつも「まるめろだ」とおっしゃって
私が「これは花梨ですよ」と言っても「青森ではまるめろというのだよ」とおっしゃる。
そんなやりとりをよくしていたのでしたが
ご病気をされて「しばらく奈良までは行けないよ」とご連絡をいただいて、もう数年が経ち・・。
いつかお元気になって、また奈良までお越しいただける日が来ますようにと
今年も花梨を置きながら、私は「まるめろ」と心の中で呟いてみるのです。
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Kさんが奈良倶楽部にご宿泊下さっていた十数年前は
まだ一人旅がそれほど一般的でなかった頃で
翌日の朝食の席で、一人旅の方同士でお話が弾むことがよくありました。(勿論今でもですが)
Kさんにお声をかけられた方も多く
Mさんは毎年「Kさん今年はいつ来られるの?」とお尋ねだし。
夕食無しでご宿泊だったOさんには「ここの夕食は絶対美味しい」とお奨め下さったり。
その翌年からOさんはいつも夕食を楽しみに来て下さるようになったし。
・・・今日は花梨の話から、長くお越しいただいているリピーターのお客様を思い出しています。
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正倉院展に毎年お越しいただいている方々の多くが
奈良倶楽部の夕食を楽しみにして下さっていましたので
今年は、Oさんや多くのリピーターさんに、ご予約時に
「実は3月から夕食無しの宿になりました」とご説明して
その時にちょっと申し訳なく感じています。
色々な事情が重なって「夕食無しの朝食付きの宿 Bed&Breakfast」という選択をしたのですが
私達の中では、単に夕食がついてない「片泊まりの宿」ではなく
朝食がとても美味しい宿を目指しています。
「奈良倶楽部の朝食を食べたいために泊まる」とおっしゃっていただけるよう
日々努力してまいります。リピーターの皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
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話はかわって、トップの画像の左の写真は
「おれんじぴーる」さんより届いた今月の奈良倶楽部オリジナルの香り。
今月の香りは正倉院展にちなんで、はるか天平時代をイメージしたものです。
アロマランプにたらした香りが広がるようにこのようにミストでも楽しんでいます。